阪神の金本知憲新監督（４７）が２０日、甲子園クラブハウスを訪れて１軍選手と対面し、ミーティングを開催した。その後、個別で選手と面談。今季不本意な成績に終わった鳥谷敬内野手（３４）に猛げきを飛ばし、奮起を促した。

　就任会見から一夜明け、早速、動いた。甲子園クラブハウス内で開いたミーティング。３位の成績に終わった選手に対し、頂点を目指す金本新監督は「明るく厳しく」との方針を打ち出した。

　全体ミーティング後には、主力選手を中心に個別の面談も行った。その中で「一番は鳥谷」と最も気にしていたキャプテンとも直接会話を交わし、猛げきを飛ばしたことを明かした。

　「お前が変わらないとチームが変わらない。数字も実績、年数、年齢を考えた時に物足りなさ過ぎると言いました」

　今季、鳥谷は不動の遊撃手として奮闘したが、打率・２８１、６本塁打、４２打点と不本意な成績に終わった。今季が１２年目の３４歳。ベテランの域には入ったが、衰えるのは早い。まだまだやれる。金本監督は、寄せる期待が大きいからこそ、現状で甘んじることを許さなかった。

　「バッティングもあの数字。彼もその気になっている。僕も見るし。彼も『ぜひ』ということだった」。打撃の手助けをすることを示唆し、さらなるレベルアップに一役買う構えだ。その鳥谷はこの日、「グラウンドに出ていないんでまだ実感ないです」と多くを語らず甲子園を後にしたが、表情には充実感がうかがえた。

　金本監督は同じくベテランの能見とも面談した。「しっかりトレーニングするということでちょっと安心した。長いイニングもチャレンジしたいと（いうことだった）」と満足そうな表情。今後も積極的に選手と個人面談を行う意向だ。

　コミュニケーションを図る一方、チームには緊張感を持たせたい考えだ。「キャンプ、シーズンもだれないように。お互いを締める意味でも、口うるさいことは言うということは伝えた」と明確な方針を示した。

　虎戦士に注入した金本イズム。１０年間優勝していない虎の“改革”を託された新指揮官が、力強くその第一歩を踏み出した。