「阪神秋季キャンプ」（５日、安芸）

　阪神・金本知憲監督（４７）が、キャンプ不在期間も“遠隔チェック”する態勢を敷くことが分かった。この日は金本監督が安芸を離れて最初の練習日だったが、指揮官不在を感じさせない緊張感ある雰囲気に包まれた。選手に気を抜かせない。コーチ陣と密に連絡を取り、離れていても目を光らせる。

　安芸を離れても、魂はグラウンドに残している。指揮官不在の初日、コーチ陣は精力的に声を出して動いた。選手も必死に汗を流した。徹底された方針は、金本監督の狙い通りでもある。“遠隔チェック”で、選手の動きを把握していく。

　「（コーチ陣と）連絡を取り合ってね。バッティング部門では片岡、浜中と。ヘッドコーチの高代さんにも連絡して、『どんな感じですか？選手の動きはどうですか？』とかは、もちろん確認してね。練習メニューも（連絡が）来るだろうし」

　秋季練習から４日までのキャンプを含め、さまざまな部分で改革に乗り出した。短期間ながらも選手の変化を感じ取れた。「コーチに（伝えたの）は『今持っている課題を続けるように』と」。それぞれに宿題も与えている。

　「一人の選手に、３つ４つのテーマを与えて実行してくれているので。江越も見栄えは変わってきたし、陽川もティーバッティングだけなら１軍で２割５分、１０本ぐらい打ちそうな選手に見える。ティーだけなら（笑）」

　選手の日々の成長も感じたい。例えばこれまで、フリー打撃の様子をスタッフがスマートフォンで動画撮影することもあった。そのため、動画さえ送ってもらえれば簡単なチェックも可能。高代ヘッドコーチも「（監督のメール）アドレスも全部知ってるので」と連絡を密に取る構えだ。

　この日、常に声を出し、午前中からノックを打ち続けた平田チーフ兼守備走塁コーチは「どこかで監督が見てるみたいだった」と緊張感ある雰囲気に納得。高代ヘッドは金本監督から盗塁練習を継続するリクエストを受けており「帰ってきた時にがっかりされたら困る」と、今後も気を引き締めていく。

　金本監督の再合流は、第３クールの１２日の予定。第２クールに実戦はなく、次の紅白戦は坂井オーナーも駆けつける１３日となっている。離れていても関係ない。不在期間であっても、指揮官は目を光らせ、チームの変革を促していく。