藤浪は開幕投手よりV!143戦見据える
「阪神秋季キャンプ」(7日、安芸)
阪神・藤浪晋太郎投手(21)が秋季キャンプ第2クール初日、来季は開幕投手よりリーグ優勝にこだわる考えを強調した。現時点で、開幕投手は白紙の状態。金本監督は「みんなエースと思ってほしい」と藤浪、能見、岩田、メッセンジャーへ、競争指令を発していた。大本命の若きエースはシーズン143試合を見据えて調整を進めていく。
開幕投手の栄誉より優勝したい。金本監督の「競争指令」を伝え聞いても藤浪のスタンスは変わらなかった。
「自分自身、そんなに強いこだわりがあるというわけではない。世間的には『開幕投手=エース』ですが自分はそう思わない。もちろん、指名されたら頑張りますし、指名されるように頑張ります」
現時点で来季の開幕投手は白紙の状態だ。金本監督は「みんな自分がエースと思ってほしい。メッセンジャーなんか『来年の開幕は俺だ』と(帰国時に)言っている。それぐらいの気持ちを能見、岩田、藤浪にも持ってほしい。持たないと」と競争を求めていた。
ただ、藤浪は開幕戦より、トータル143試合が重要と考える。今季チームは9月途中まで首位を走りながらまさかの大失速で優勝を逃した。藤浪はペナントレース勝負どころの8月以降、主に中5日で先発。ローテの軸として獅子奮迅の活躍を見せたが、頂点に届かなかった。V逸の悔しさを知るからこそ、昨年のような「開幕奪取宣言」は控える。
「開幕というより、シーズンを通して戦う準備をしていきたい。キャンプでもしっかり投げてアピールもします。自分はチームとして優勝したい。優勝に比べたら、開幕投手は小さいことだと思う」
来季開幕戦は3月25日。京セラドームで中日と戦う。今季2戦2勝。通算でも5勝2敗、防御率2・29とセ5球団で最も得意とする相手だが、同球場では今季初登板も5回3失点と苦しんだ。それだけに本人は冷静に言う。
「ナゴヤドームは好きですが、(中日と)すごく相性がいいというイメージはありません。京セラでは今年の最初もやられていますし。まだまだ先の話なので、普通にできればいいと思います」
今季14勝7敗、防御率2・40。開幕投手の大本命であることは間違いない。勝負は開幕だけじゃない。リーグ優勝だけを目指して、準備を進めていく。