高橋建2軍コーチ 信念の左腕育成へ
阪神の高橋建2軍投手コーチ(46)が7日、西宮市内の球団事務所で就任会見を行った。高橋コーチは伸び悩む若手左腕について「先発でもリリーフでも信念を持って勝ち取ることが大事」と話し、左腕育成に全力で取り組む姿勢を示した。
広島で15年、メッツで1年。日米でプレーした経験から高橋2軍投手コーチは左腕育成の方法論にたどり着いた。
「どの球団でも左で勝ちきれる投手が多くない。先発、中継ぎとチームも使いやすさがあるために器用貧乏に終わるケースが多い。先発なら先発、と信念を持って(ポジションを)勝ち取ることが大事だと思います」
通算成績は70勝92敗5セーブ、23ホールド。チームのニーズに合わせて先発、リリーフと役割を変えて貢献してきた結果だ。自身の経験から、希少な左腕は重宝される一方で“便利屋”になるケースも多く、結果として左腕の一流投手が育たない環境があると認識する。
「強い信念がある人が成功する。先発でもセットアッパーでも強い気持ちを持って目指してもらいたい」
精神論だけではない。今季、チームに不在だった左腕の投手コーチ。技術面でも教えられることは多い。
「例えば一塁に走者を置いた場合、左なら走者と対面する。目と目が合うから目で(走者を)制止できる。せっかく左に生まれてきたんだから(その特徴を)生かせたら」
就任要請は10月29日に金本監督からの電話で受けた。
「チームは広島じゃないけどアメリカに渡るより楽だろう。一緒に頑張らないか」
広島時代にチームメートとして、練習に取り組む姿勢から特別な存在と尊敬していた。「カープのユニホームを着たい思いもあった。金本さんじゃなければ断っていたかも」。偉大な先輩のため力を尽くす。