原口一発回答!最後の実戦でアピール弾

 「阪神紅白戦、白組0-1紅組」(16日、安芸市営球場)

 阪神の育成選手・原口文仁捕手(23)が16日、秋季キャンプの紅白戦に紅組の「8番・一塁」で先発出場。五回、左翼席へソロ本塁打をたたき込んだ。金本監督から「トップを早くつくれ!」と指導を受け、奮闘している背番号124。鉄人も認める力強いスイングの持ち主で、打撃が開花すれば殻を突き破る可能性は十分にある。

 安芸のグラウンドに原口の笑顔が戻った。0-0の五回。先頭で打席に立つと、二神の真ん中低め直球を捉えた。高々と上がった打球は風にも乗り、そのまま左翼フェンスを越えた。今キャンプ最後の実戦で、試合を決める一撃。「最後の最後でアピールできたかな」と表情は緩んだ。

 紅白戦は今キャンプで4試合目。アピールする絶好の機会にもかかわらず、この一発を放つまで9打数1安打と苦しんでいた。「続けていることを、最後の打席で変えようかなとも思った」。トップを早く、深く取る新フォームを貫いてきたが、焦りから迷いが生じる。しかし「やろうとしていることを曲げずに」と心に決めて打席に立ち、結果を出した。

 育成3年目の今シーズンは2軍戦で59試合に出場し、打率・220。「今年で終わりなのかな、と。覚悟はしましたよ」。秋季練習で金本監督から打撃を評価され、キャンプメンバーにも抜てき。道は再び開けた。また、全力で支配下登録を目指すことができる。

 小学生時、巨人の阿部に憧れて野球を始めた。捕手として野球人生を歩み、プロ選手にまでたどり着いた。だが度重なるケガに苦しみ、大好きなポジションから遠ざかってしまう。「本当はやりたい。未練はありますよ」。同級生の梅野を含め、捕手陣と勝負したいという気持ちが消えることはない。

 それでも「僕のためにノックを打ってくれる人がいますから」と前向きに一塁で汗を流している。金本監督には「トップを早くつくるように」と打撃指導を受け、奮闘中だ。そんな姿を見て、高代ヘッドコーチは「2桁(の背番号)目指して頑張れ」と声をかける。

 帝京からプロの扉をたたき、来季で7年目。戦いは終わらない。サクセスストーリーは、ここから始まる。

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