矢野コーチ、藤浪に200イニング指令

 野球教室で熱弁をふるう矢野コーチ(撮影・保田叔久)
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 阪神・矢野燿大作戦兼バッテリーコーチ(46)が28日、兵庫県宝塚市の宝梅中学校で、「39ベースボールプロジェクト」(タツミコーポレーション協賛)の野球教室を行った。同校野球部員に約4時間半、指導した後、藤浪晋太郎投手(21)について言及。プロ4年目となる来季へ期待感と「年間200イニング」をノルマに課した。

 底知れない可能性を感じるからこそ、求めるものは高い。約4時間半、子どもたちと汗を流した矢野作戦兼バッテリーコーチは「ノルマと言ったら高すぎるけどね。20勝したら文句はない。200イニングは1つの大きな目安になる」と藤浪への期待感を口にした。

 「勝ちもイニングも全部ほしいよ。風格というか、空気感もチームの中心にふさわしいものであってほしい」

 若きエースから真のエースへ-。プロ4年目を迎える来年はさらなる飛躍が期待されるシーズンとなる。今季は大台へわずか1イニング届かなかったが、矢野コーチは「すごくいいでしょう。目標が明確になるからね」と前向きに捉えている。

 現役時代にバッテリーを組んだ井川は3年連続を含む計4度の200イニングをマークした。1年を通して投げ抜くスタミナ、精神力…。左腕の姿を一番近くで見てきた矢野コーチだけに、その言葉は説得力を持つ。

 「今で完成と言われたら困るよ。まだまだ伸びてもらわないと」

 プロ1年目から3年連続2桁勝利を挙げ、今季もキャリアハイの成績を残した藤浪。14勝はリーグ2位、防御率2・40は同4位、さらに最多奪三振のタイトルも獲得した。矢野コーチは「ここまでは順調にいきすぎている気がする」と来季以降、壁にぶつかることも想定しているが、右腕なら自ら逆境をはね返すと確信する。

 「いろんなことをプラスにする内面を持っている。よりいい投手になるために、考えてやってくれたらいい。何かマイナスなことがあっても、プラスに持っていけると思う」

 藤浪も来季の目標に200イニングを掲げ「もったいない試合をなくしたらイニングも伸びてくる。しっかりやれば達成できる」と繰り返す。2人の思いは共通だ。二人三脚で大台到達を目指す。

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