藤浪狙う!チーム24年ぶり10完投
阪神・藤浪晋太郎投手(21)が10日、チームでは24年ぶりとなるシーズン10完投に意欲を示した。今季は両リーグトップの7完投、4完封をマーク。チームは呉昇桓の不法賭博問題に揺れ来季の正守護神は決まっていないが、藤浪の完投への思いが揺らぐことはない。来季は投球の「幅」を広げ、金本監督の指令通り、19勝を達成し、10完投することが目標だ。
言葉には“男気”があふれていた。守護神不在の危機もどこ吹く風だ。呉昇桓の不法賭博問題。藤浪は「チームのことなので自分がどうこう言える立場ではない」とした上で、登板試合は完投を狙う意気込みを示した。
「毎回それぐらいの気持ちでやっていきたい。そこは1つこだわる数字。増やしていきたい。頑張って投げられたらと思います」
来季の守護神が決まらない中でも、自身の目指すスタイルは変わらない。今季の7完投4完封は沢村賞の広島前田を抑えて、両リーグトップ。試合終盤を迎えても150キロ超の速球を連発し、無尽蔵のスタミナを見せつけた。
4年目の進化へ1つの指針となるのがシーズン10完投だ。来季、藤浪が到達すれば、13年の金子(オリックス)以来3年ぶり。セ・リーグでは05年の黒田(広島)と三浦(横浜)以来、11年ぶりの快挙となる。阪神では92年の仲田(13完投)までさかのぼるが、藤浪はためらわずに言いきる。
「今シーズン、球数が多い中で、あれだけ投げたので。いろんな投球の幅があれば、できない数字ではない。自分自身、できる数字だと思います」
どんなに高い目標、記録であっても、初めからNOと言わない。前日9日にも金本監督から「19勝指令」を受け「イニング、防御率を伸ばせば、自然と近づくと思う」とどん欲な姿勢を示していた。
こうした発言も確かな自信があるからだ。来季へ向けて掲げたテーマは「幅」。投球に「メリハリ」をつけ、打者と駆け引きする。アウトの手段を増やせば、2桁完投到達も、視界に入ってくる。
もちろん「守護神がいれば、チームにとってプラスでしょうし、いいかなと思います」と早期決着が理想だが、先発完投への思いは不変。若きエースが呉昇桓ショックに揺れる虎に勇気を与えた。