バース氏、掛布サン伝説の54本超えろ

 元阪神のランディ・バース氏(61)が18日、甲子園外周のミズノスクエアで行われた阪神百貨店のクリスマスイベントに参加。約30人のファンと交流した。1985年にシーズン54本塁打の球団記録を樹立した同氏は、ともに日本一を経験した盟友である掛布雅之2軍監督(60)に、自身の記録を塗り替えるような大砲の育成を期待した。

 万物は流転する。記録はとどまるものではなく、更新されるもの。日本プロ野球史上最強の助っ人の一人に挙げられるバース氏も、考えは同じだ。ともに一時代を築いた掛布氏が、2軍監督に就任した。「もちろん(自分を超えるような選手が)育って欲しい!!」。盟友に託すのは、そんな選手の育成だ。

 30年たった今も、球団史にさん然と輝くシーズン54本塁打。当時の甲子園にはラッキーゾーンがあった。現在は投手のレベルも進歩している。環境は大きく変わっており、いまやその記録を更新するのは至難の業だ。

 だからと言って、無理と決めつけてしまっては、可能性を狭めるだけだ。64年に巨人・王が樹立したシーズン55本塁打は、当時は不滅のものと思われた。しかし、01年に近鉄・ローズ、02年に西武・カブレラが肩を並べ、ついに49年後の13年にヤクルト・バレンティンによって破られた。

 幸い猛虎には、可能性を秘めた大砲候補がいる。江越、陽川、横田、そして今年度ドラフト1位・高山(明大)…。とは言え、現状では1軍経験があるのは江越だけ。いずれの若虎も、今はまだバース氏の夢には程遠いところにいる。そこで大事になるのが、掛布2軍監督の手腕だ。

 バース氏は、かつて掛布氏と6年間一緒にプレー。その人柄、野球観は熟知しており、「掛布さんは野球をよく分かっている。とてもいい指導者になるよ」と太鼓判を押した。1~2年で自分の記録を塗り替えろとは思っていない。金本監督も横田について「5~6年かけて3割40発の選手にしたい」と青写真を口にしたことがある。大器が晩成するまで待つことはいとわない。

 この日、サンタクロースに扮(ふん)したレジェンドはファンと交流し、「私は永遠に阪神ファンです!!」と笑顔をはじけさせた。そして、願望も込めてこう続けた。「(54本塁打を破る選手が現れたら)喜びます。その選手と握手したい」。何年かかってもいい。これまで有り余るほどの歓喜を与えてくれたバース・サンタに、“お返し”を送りたい。

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