掛布指令“一芸見せろ”アピール求める
台湾で開催中のアジア・ウインターリーグを視察していた阪神・掛布雅之2軍監督(60)が18日、関西空港着の航空機で帰国した。現地で観戦した3試合を振り返り、改めて「競争意識」の必要性を強調。来春の高知県安芸市で行う2軍キャンプでは、初日の2月1日からシート打撃を実施する。選手一人一人の「一芸」での猛アピールを求め、監督としてその力を見極めていく。
台湾・桃園空港の入場ゲート前で、掛布2軍監督が視察した3試合を総括。さらに、来春の2軍キャンプについて口を開いた。2月1日から生存競争のゴングが鳴る。「個人技」によるアピール合戦を選手に強く求めた。
「横田や陽川がいくらバントをうまくなっても、打てないと1軍へは上がれない。逆に、北條はそこを求められる。ゴルフで言う14本のクラブが全て違うように、チームの中でも役割があるからね。そういう部分を見せていかないといけない」
ウインターリーグでは巨人・岡本の打撃に目を奪われた。18日現在、17試合で59打数25安打、打率・424。一方、内野の守備は正面のゴロを失策するなどもろさが目立つ。課題と際立つ「強み」。今季、高卒ルーキーで1軍戦17試合に出場した要因は、後者を猛烈にアピールしたからだろう。
掛布2軍監督も、選手一人一人の特長を生かしたプレーを求めている。オフ期間は「個人技」を鍛える大事な時間。そして、2月1日に予定されるシート打撃が、選手を見極める重要なポイントだ。
「12月と1月の2カ月でどれだけ準備してきたか分かるからね。何もやっていないようだったら、残念だよ」
2月11日には韓国・ハンファとの練習試合(安芸)が控えている。狭き1軍の門を争う戦いは、もうすでに始まっていると言っても過言ではない。
「(ウインターリーグでは)一人一人の選手がお互いに意識し合って取り組んでいる。いい環境でやっているのはこの3日間でよく分かったよ。また参加した方がいいね」
激しい競争を勝ち残っていくために必要なものは、誰にも負けない「個の力」。その結集体がチームだ。新生猛虎の底上げを託されている背番号31は、充実の表情を浮かべながら帰国の途についた。