阪神マテオと合意 159キロ出た!
阪神が獲得交渉を進めているパドレスのマルコス・マテオ投手(31)が18日(日本時間19日)、ドミニカ共和国でのウインターリーグで99マイル(159キロ)をマークした。「エストレジャス」というチームの抑えとして九回に登板。剛速球とスライダーを武器に無失点に抑えた。またこの日、阪神と基本合意していることが分かった。獲得調査を行っているタイガース傘下3Aトレドのラファエル・ドリス投手(27)も登板し、97マイル(156キロ)を計測した。
11日以来、1週間ぶりとなった実戦のマウンド。1点リードの九回だ。クリスマス明けから始まるプレーオフに備えて休養を与えられていたマテオだが、先頭の右打者リッカードへの初球は外角低め、96マイル(154キロ)のストライク。1球目からギアを上げた。
迫力満点のピッチング。その剛腕は本物だった。観客のド肝を抜いたのはマテオが投じた5球目だ。ネット裏のスカウト陣が手にしたスピードガンが「99」を表示した。チームを勝利に導くための真剣勝負。スリークオーターから繰り出す剛球と切れ味鋭いスライダーで、見る者の心をわしづかみにした。
ただ久しぶりの影響か、1ボール2ストライクと追い込みながら死球を与えた。さらにウインターリーグ初参加のDeNA・筒香に甘く入った88マイル(142キロ)のスライダーを中前へ運ばれ、無死一、二塁のピンチを背負った。
しかし、ここからがマテオの真骨頂だ。打率・320の4番・キブレハンをカウント1-1からスライダーで遊ゴロ併殺。狙い通りの結果にマウンド上で何度もうなずく。なお2死三塁で、続く打率・337のゲールを97マイル(156キロ)の速球で遊ゴロに仕留め、勝利の雄たけびを上げた。
これで開幕から11連続セーブを記録。防御率0・00をキープしている守護神に、メンディ・ロペス監督も「投げるたびに自信をつけている。何の心配もなくマウンドに送り出している」と全幅の信頼を口にする。
関係者によると、この日までに阪神がマテオと1年契約で基本合意したことが判明。週明けに米国内で身体検査を行い、正式契約を結ぶ運びになりそうだ。
メジャーでセーブ王3回を含む通算288セーブの記録をもつ同僚のバルベルデ(前ナショナルズ3A)は言う。「今のマテオはドミニカ最強のクローザー。どこで投げても成功するよ」。37歳のベテランが力強く太鼓判を押した。