北條トリプルスリー打法盗んで覚醒へ

 阪神・北條史也内野手(21)が11日、愛媛県松山市内の坊っちゃんスタジアムで、ヤクルト・山田哲人内野手(23)らとの合同自主トレを公開した。トリプルスリーを達成した山田は北條にとって憧れの存在。今季は山田がブレークした高卒4年目を迎える。一流の技に触れ、覚醒を狙う。

 ツバメ軍団に交じって、厳しいメニューに必死に食らいついた。あこがれの山田の動きはすべてがお手本だ。レベルの違いを痛感しながら、北條は決意を固めた。勝負の1年へなりふり構わずレギュラーをつかみに行く。

 「レベルが高い人が多い。(初日の)1日で違うと感じました。守備もバッティングもスイングスピードも。もっと近づけるように、そういう人を超えていかないと、1軍にいけないと思います」

 熱望した自主トレは驚きの連続だ。前日の初日は山田の常識を覆すバットスイングにくぎ付けになったという。

 「独特というか、人と違う打ち方をしていました。誰もしていないようなタイミングの取り方、トップのつくり方、力をどこで入れるのかとか…」

 言葉で表現することさえ難しい一流の技。約1週間の自主トレ期間中の習得は困難でも、山田と少しずつ距離を詰めて、トリプルスリー、打撃の極意を盗むつもりだ。

 今季は勝負の年だ。山田が打率・324、29本塁打、89打点と大ブレークした高卒4年目を迎えた。前年から94試合に出場していた山田に対し、北條は昨季1打席に立っただけ。立ち位置こそ違うが「目標は高く持ってやりたい。まずは1軍に行くためキャンプ、オープン戦で結果を出してやっていきたい」と“山田ロード”を歩む。

 4年目の覚醒へ、まずは守備でアピールする。「ショートにこだわりはない。試合に出られたらいいので、どこでも守れるようにやっていきたい」。キャンプでは本職の遊撃だけでなく、二塁、三塁も守る覚悟だ。

 そんな北條の貪欲な姿勢に山田は「いい選手。素直な子。話しやすいですね」と好感を抱いた様子。くしくも今季は開幕2カード目にヤクルトと神宮でぶつかる。恩返しの舞台は整っている。先輩へ成長した姿を示すため、スタメンに名前を連ねる。

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