ドラ2坂本、頭脳的な走りでトップ
阪神のドラフト2位・坂本誠志郎捕手(22)=明大=が11日、鳴尾浜で行われた新人合同自主トレにおいて、頭脳的な走りで3000メートル走を制した。自身が思い描くレース展開に持ち込み、過去2年の新人記録を塗り替える11分21秒でゴール。正捕手を争う梅野隆太郎捕手(24)の目の前で好敵手ぶりをアピールした。
緻密さが求められる捕手らしい一面を3000メートル走でも見せつけた。短距離走を苦手とする坂本は「長距離しか目立てないので、ここは目立っておこうと思っていました。トップを取ってやろうと思っていました」と得意満面に振り返った。
終盤のスピード勝負になると不利を自覚。「最初から皆を追い込んでやろうと思っていました」と言うように序盤から青柳、望月と3人でレースを引っ張った。中盤以降で先頭に抜け出すと、そのままゴール。思惑どおりの“頭脳プレー”だった。
練習を見守っていたスカウト陣の間では、青柳と板山の前評判が高かった。「僕の名前は1回も出てこなかったので、見返してやろうと思っていました」と低い下馬評を発奮材料にした。ハイペースになった影響で全員が12分台をマーク。坂本は昨年ぶっちぎりだった石崎の記録を更新し、6位竹安でも2年前トップの横田を上回る好タイムだった。
この日の鳴尾浜には大学日本代表で面識がある梅野の姿もあった。ライバルの存在に「特長も違うと思うので、お互いの力がタイガースのために働けばいい。僕は僕でやっていけばいい」と冷静な坂本。闘争心をむき出しにすることはなかったが、首脳陣が横一線を強調する正捕手争いはますます注目だ。