「名球会ベースボールフェスティバル２０１６」(１１日、ヤフオクドーム)

　日本プロ野球名球会が１１日、ヤフオクドームで「名球会ベースボールフェスティバル２０１６」を開催し、阪神・金本知憲監督（４７）がセ・パ対抗戦でセ・リーグ監督を務めた。金本監督は試合前、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督（７９）から「勝て！」と激励され、巨人・高橋由伸監督（４０）とともに球界発展の使命を託された。かつて直接指導を受けたこともある恩人のエールに気持ちを新たにした。

　金本監督が、「雲の上の人」と呼ぶミスタープロ野球から愛情あふれるハッパをかけられた。

　長嶋「巨人と阪神が勝たないと、プロ野球界はダメよ！若いのだから、由伸と思いきってやったら？」

　金本「はい！頑張ります！」

　前夜の名球会総会を欠席した長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督がヤフオクドームに来場すると、豪華舞台がいっそう華やいだ。ミスターはそうそうたる面々とあいさつを交わすと、ライバルとなる阪神の新人監督を見つけ、「勝て！」と激励した。

　長嶋「阪神は伝統と歴史のある球団ですから。その阪神をいいチームにしようということを、テレビとかラジオなどで（金本監督は）よく言っていますけど、実際に会ってみると本当に気持ちのいい人でね。今年はまして巨人軍も監督が若くなって、阪神がどういうチームになるかということを思うと、非常に楽しみがあります」

　昨季覇権を逃した東西の伝統球団がＶから遠ざかればプロ野球界全体が活気を失う。長嶋氏はそんな憂いを晴らしてほしいと、金本ＶＳ由伸の一騎打ちを大いにあおった。

　長嶋「金本監督には指導者経験がない？いやぁ、心配はないね。あれだけの選手だからコーチや監督になったとしても本当に心配はない。今は昔の野球とは全然違いますから。ましてや（金本監督は）ファイトがあるから。高橋監督と阪神の金本監督が今年やることは、とってもおもしろい野球になると思いますよ。新監督対決は楽しみです、はい」

　昨季、阪神は巨人に９勝１６敗と苦杯をなめた。１０年間優勝から遠ざかる虎の再建を、長嶋氏は願っている。

　長嶋「阪神が強いほうが球界が盛り上がる？もちろん、そうですよ。巨人も優勝していないから、お互い今年に対する気持ちが相当強い、いいものを持っていると思いますよ、はい」

　金本監督にとっては１２年の現役引退直後、東京ドームで「お疲れさま」とねぎらわれて以来の対面。広島時代に１対１で打撃指導を受けるなど、懇意にしてもらったミスターに報恩する機会が巡ってきた。

　金本「かなり強く言ってもらった。元気をもらったよ。まさか長嶋さんからタイガースを応援してもらえるなんて思わなかったから」

　感激のエールが金本監督の心にズシリと響いた。