高山 川藤OB会長から猛列ゲキ受ける
阪神のドラフト1位・高山俊外野手(22)=明大=が14日、鳴尾浜の新人合同自主トレを視察した川藤幸三OB会長(66)から、初代ミスタータイガース・藤村富美男、ソフトバンク・王貞治球団会長の現役時代のようなギラギラした目つきで試合に臨むよう注文を受けた。猛烈なゲキに高山は「すごく光栄です。頭と心に入れてやりたいです」と呼応。レジェンド級の“目力”を手に入れ、王道をばく進する。
新人合同自主トレを視察に訪れた川藤OB会長は、高山にどうしても伝えたいことがあった。それは球界の頂点に君臨した男を間近で見てきたからこそ分かることだった。
「初めて藤村さんや王さんを見た時は、びっくりした。『なんじゃ、この目は!』と。この世界は目つきが大事。投手はのまれるわな」
バッターボックスから18・44メートル離れた投手を威嚇する鋭いまなざし。相手をびびらせたら、その時点で勝ったも同然だ。「どう変化していくか、今後楽しみ」。“浪速の春団治”は、初代ミスタータイガースや世界の本塁打王が並み居る好投手を沈めてきた「目力」を、猛虎の未来を背負うゴールデンルーキーにも手に入れてほしいと願った。
熱いゲキを飛ばされた高山は、「そう言ってもらえるのは光栄です。それが全てかは分からないですが、頭と心に入れてやっていきたいです」と感服した。相手を上回る闘争心、負けたくないという強い気持ちは、これまでもずっと胸に秘めてプレーしてきた。
「勝負の世界なんで、絶対負けないっていう、そういう強い気持ちは持ち続けていました。これからも持ち続けていきます」
日大三時代には3年夏の甲子園で日本一に輝き、明大では東京六大学リーグ新記録となる131安打をマーク。偉大なる結果を樹立したのも“負けじ魂”が心に宿っていたからだった。
目ばかりではない。川藤会長には、バットやグラブを扱う「手」についても要求された。坂道ダッシュを終え、室内練習場に移った際に「もっと岩みたいな手になれと言われました」。今後はまだ柔らかい手のひらの“超変革”にも意識を向ける。
戦いの火ぶたが切って落とされる2月1日のキャンプインまで残り17日。川藤会長から授かった金言を体に染み込ませる。藤村、王のようなギラギラとした目つきで、プロの世界を生き抜いてゆく。