鳥谷 鉄壁守備を新グラブで“鳥戻す”
名手復活だ!阪神・鳥谷敬内野手(34)が13年目を迎える今季、従来のモデルから改良した「復権グラブ」を使用することが14日、わかった。昨季は3年連続4度目のゴールデングラブ賞に輝いたが、3年ぶりの2桁となる14失策を記録。新たな「相棒」と共に、かつての守備力を取り戻す。
昨年の「第44回三井ゴールデングラブ賞」の表彰式。遊撃手部門で4度目の栄誉を手にした鳥谷は「自分だと思っていなかった」と複雑な胸中を明かした。14失策-。そのうち6つは送球ミスによるものだった。復活への挑戦が始まる。改良を加えた「復権グラブ」は、その強力な相棒だ。
最も重要なポイントは、グラブのポケット部分の革を従来と比べ硬くしたこと。それにより、ボールを捕球した際に絶妙な“はじき”が生まれる。瞬時に手元に収めることができるため、持ち替えがスムーズになり、素早い送球につながる。
軟らかいと、ボールはポケットから出てきづらい。速い打球には効果的だが、スピードを求めると前者には大きく劣ってしまう。自身の体の現状、甲子園をホームとして戦うことを想定した上での判断だったのだろう。
人工芝に比べて土のグラウンドは打球が死にやすく、より速い動きが必要となる。以前は持ち前の身体能力でカバーできていたが、年齢を重ねるごとに体力は徐々に衰えていくものだ。背中に死球を受けた影響もあったが、昨季の14失策がそれを物語っている。
2月1日のキャンプインから、久慈内野守備走塁コーチとの特訓が始まる。同コーチが「遊撃というポジションは、捕ること以上に投げることが良くないと務まらない。スローイングのミスは絶対にしてほしくない」と話す通り、昨季6つを数えた送球エラーの撲滅はかつての守備力を取り戻す上で、大前提になってくる。
ウェブ(網目)の部分は、昨年のオールスターで使用した「鳥谷モデル」を再現。また、「もう年齢も年齢だから」という本人の意向を受け、黒を基調とした落ち着いた色合いを3種類用意した。開幕までに選定し、唯一無二のパートナーと13年目のシーズンを歩む。これ以上、背番号1を汚すわけにはいかない。