掛布虎も超変革 午前9時だヨ!全員集合

 9時だよ、全員集合!阪神・掛布雅之2軍監督(60)が23日、高知県安芸市で行う2軍キャンプで「一斉トレ」をメニューに組み込むことを明かした。「超変革」を掲げる金本イズムを受け、若手、ベテランに関係なく午前9時に安芸ドーム内のトレーニング室に集合させる。例年にはなかった「掛布流」の新しい取り組みは「ケガ防止」が目的だ。安芸スタートの31人は、同じ志を胸に1軍への道を目指していく。

 安芸で鍛錬を積む31人に対し、掛布2軍監督が求めるものは一つ。「全員が1軍の戦力なんだから」。戦いを前に甘んじている選手がいるとすれば、それは新生阪神の一員ではない。競争に勝ち、日の当たる舞台を目指せ-。そのために最も大切なことは、強じんな体をつくることだ。

 午前9時。安芸ドームには31人全員が集合する。21年目の鶴岡、15年目の安藤もスタンバイ。主に体幹やストレッチなどを行う予定だ。メーン球場での全体練習開始は9時30分。わずかな時間だがトレーナーも配置し、「ケガ防止」のトレーニングを実行する。

 「みんな一斉にね。今まではベテランは免除されるというのがあったけど。早めに宿舎を出て、トレーニング室に行きます。全員でやっていきます」

 例年のキャンプでは若手野手中心の「朝ウエート」を実施していた。投手陣の半数は宿舎でストレッチをした後、球場に出発するという流れだった。だが、それでは各人の調整に目が行き届かない。ケガをすれば、グラウンドに立つことすらできないのだ。昨年の反省も生かされている。

 15年の春季2軍キャンプは、初日から離脱者が出るなどケガ人が後を絶たなかった。第3クールからの対外試合では出場できる選手が少なく、中止を検討したほど。「一番はケガ防止だから」。昨年まで実施していた朝の素振りや、投手陣の散歩も基本的には廃止する方針だという。全員が足並みをそろえ、1日のスタートを切る。

 「1軍は勝ち負けに責任を負う。ファームはそういう意味で難しいけど、個人が責任を感じてやってほしいですね。いい意味で選手、コーチ陣もそういう緊張感を持ちながらね。その中で楽しむのがプロ野球だから」

 1日からシート打撃を行うなど、激戦必須なサバイバル。金本監督は初日から1、2軍の入れ替えの可能性を明言している。そのためにもケガをしない体づくりは必要不可欠。金本-掛布ラインが一体になり、進めていく「超変革」。猛虎は確かに変わりつつある。

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