球児 あるぞ守護神 火の玉全開80球
「阪神春季キャンプ」(1日、宜野座)
阪神・藤川球児投手(35)が1日、今キャンプ一番乗りでブルペン入り。岡崎を座らせ、いきなり80球を投げ込んだ。金本監督はこの日最も目立った投手として「残念ながら、藤川球児でした。いい意味で残念ながら」と名前を挙げ、火の玉ストレートを絶賛。シーズンでの守護神起用に含みを持たせた。
ブルペンに足を踏み入れた瞬間、温かい歓声が藤川を包んだ。「お帰りなさーい!」。4年前と背番号は違えど、虎党は首を長くして待っていた。
直球主体で変化球を交えながら80球。低めを厳しく攻め、受けた岡崎を「全然変わっていなかった」とうならせた。前回、ブルペン入りした1月29日よりも50球プラス。着実にペースを上げてきている。
「野球が楽しいので、楽しみながらやっています」
背後で見守った金本監督も賛辞を惜しまなかった。ブルペンで投球を凝視し、その威力は衰えていないと確信した。
「(最も目立った投手は)残念ながら、藤川球児でした。一番回転のいいボールを投げていた。中継ぎでも結構後ろの方の順番を任せられるのかな」
過去に2度の最多セーブ王に輝き、日米通算222セーブを挙げている藤川。呉昇桓(カージナルス)の退団に伴い、球団は代役の守護神候補としてマテオとドリスを獲得した。だが異国の地で適応できるかは、ふたをあけてみないと分からない。火の玉右腕に出番が回る可能性はある。
金本監督は「分からないけど、できれば前みたい(に抑え)がいい…」と守護神起用にも含みを持たせた。状況次第で変わりうるが、藤川はいとわない。
「監督の思うようになるんじゃないですか。意志の強い方なので、緊張はないと思いますけど」
しばらくすれば実戦形式の練習も始まる。「けがをしないよう、やっていきます」。チームのために全身全霊をかけて戦う。指揮官の思いに応えるべく、コンディションづくりに専念する。