江夏氏賛辞!ドラ1高山は“危険な男”
「阪神2軍春季キャンプ」(7日、安芸)
阪神のドラフト1位・高山俊外野手(22)=明大=が7日、指導初日となった江夏豊臨時コーチ(67)に絶賛された。伝説の左腕はルーキーの顔つき、意欲的な姿勢を見て“危険な男”と察知。現役時代であればフルカウントからボール球で勝負すると断言した。「間違いなく好素材」と最大級の賛辞を贈り、視察に訪れた坂井信也オーナー(67)も褒めちぎった。
高山のスイングが現役時代の“本能”を呼び覚ました。ルーキーの臆さぬ意欲的な姿勢が、伝説の左腕には危険信号となって伝わった。指導初日となった江夏臨時コーチはフリー打撃を目の当たりにし「何か持ってる。間違いなく好素材」と断言。そして30数年前を回顧しながら、怪物ルーキーをこう評する。
「力が落ちてきた晩年、練習中に新しい選手を呼んで『お前はどこ出身だ?』とよく聞いたんだ」と明かした江夏臨時コーチ。するとタイプは2種類に分かれた。目を合わせず「○○出身です」と言う選手と、しっかりと相手の目を見て力強く「○○出身です」と言いきる選手だ。
その傾向を踏まえて江夏コーチは「目をそらすヤツはフルカウントからストライクゾーンのストレートで勝負して大丈夫。でも目を見てくる向こうっ気の強い選手は低めのボールゾーンで勝負する。まともに勝負するとやられる」と対策を立てていたと言う。
果たして高山は-。江夏コーチは「堂々としている。彼はいいツラ構えをしている」と後者に分類した。現役時代、幾多の危機を乗り越えてきた名投手が、22歳のルーキーを“危険な男”と認識したのは最大級の賛辞だ。
前日のミーティングでは「あれだけすごい方なので聞けることは聞こうと思った」と、真っ先に手を挙げて質問したこともレジェンドのハートをわしづかみにした。さらに安芸キャンプを視察に訪れた坂井オーナーも、高山の姿に心を奪われた1人。当初は午後1時に球場を離れる予定だったが、高山のフリー打撃を一目見ようと、打撃順を変更させ、飛行機への搭乗時間がギリギリになってもグラウンドに残った。
終了後、自らドラ1ルーキーの話題を切り出し「雰囲気がある。これは期待できると確信した」と絶賛した総帥。そんなVIPの前でも「自分の打撃のことでいっぱいでした」と自らが取り組むべき打撃の形を崩さず、コースに逆らわずにセンターから逆方向へ打ち返した。並のルーキーなら強引なスイングが目についてもおかしくないが…。この男、やはりただものではない。