金本監督 下柳臨時Cとのガチンコ制した
「阪神春季キャンプ」(11日、宜野座)
阪神・金本知憲監督(47)が11日、紅白戦の前座で下柳剛臨時投手コーチ(47)と対戦し、3打数1安打で勝利した。矢野燿大作戦兼バッテリーコーチ(47)が捕手を務めるアラフィフトリオ再結成の対決は、野手or投手の練習免除がかかった代理バトルだったが、指揮官が面目を保った。対決前に田中秀太スカウト(39)が遊撃手を務め、あの名シーンも見事に再現した。
現役時代にガッツポーズを嫌った金本監督が無邪気に拳を突き上げた。下柳臨時投手コーチとのガチンコ対決は2打席目に決着がついた。カウント2-2から内寄りの直球を詰まりながらも右前へ。うなだれる背番号42を横目に、野手の喝采に満面の笑みで応えた。
3打席勝負の1打席目は力んで初球を強振。三飛に封じられたが、日頃若手に口ずっぱく指南する「強く振る」姿勢を徹底し、面目を保った。右飛に倒れた3打席目は47歳には思えない会心に近い打球。安打を放ったスイングは「芯に当たっていれば(スタンドへ)行きそうだったね」と、満足げだった。
指揮官が勝てば野手の個別練習が免除され、抑えられれば投手の個別練習が免除になるという“代理バトル”。満員客席から大歓声が注がれた。「下柳が本気だという情報が入ったから。まともに当たらないと思ったから予想外。ガッツポーズ?野手の期待があるからね」。前夜、宿舎隣接の室内練習場で打撃練習に励んだ。この日も試合前にドーム内で計57球、フリー打撃で調整。「全然あかん…」と弱音を吐きながら本番に臨んだが、勝負強さは健在だった。
ファンサービスのために監督の権限を惜しみなく使った。帰阪予定だった田中秀太スカウトのスケジュールを変更させて遊撃守備につかせると、本番前の1球をきっちり遊ゴロ。あの名(迷)場面を再現して見せた。
「球団にお願いして嫌がる秀太を残した。仕事があったらしいけど、ファンサービスの方が大事だろう!と(笑)」。金本劇場は実に奥行きが深かった。