走れ!ゴメス 盗塁サインあるぞ
「阪神春季キャンプ」(13日、宜野座)
阪神・金本知憲監督(47)が13日、4番に内定するマウロ・ゴメス内野手(31)に公式戦で盗塁のサインを出す考えを明かした。昨年5キロの減量を課し、見事に約束を果たしたドミニカンは沖縄でリバウンドしているが、キャンプでのパフォーマンスは高評価。この日のリレーでも快走を見せた主砲に対し、ひそかに3割、30本塁打…そして3盗塁くらいは期待しているはずだ。
ゴメスはボルトばりの美しいストライドで宜野座の芝を駆けた。
金本監督「リレーで、きれいなフォームで走っていたなあ」
巨漢とスプリント。イメージは相反するものだが、金本監督は3年間の評論家時代、ドミニカンの走塁姿勢を一貫して褒めていた。
金本監督「次の塁を狙う意欲はずっと注目していたよ。そういう意欲的な姿勢はすごく好きだったということをゴメスにも伝えた。本人も走塁に興味があると言うしね」
わざわざ言葉にはしないが、今季も「4番」として計算している。来日2年目の昨季、打率・271、17本塁打、72打点と迫力不足のままシーズンを終えた。本人がリベンジを期する16年は欲を言えば、3割、30本、100打点。そして…3盗塁くらい、ひそかに期待している。その走力と次塁を狙う意欲があれば可能と見立て、シーズンに入ればゴメスに盗塁のサインを出す可能性も否定しない。
金本監督「それは今、言うことじゃないけれど、隙あらばやっていきたいなとは思いますね」
キャンプ恒例となったリレー走で第2走者を務め、岡崎から受けたバトンを球児につないだ。第4コーナーでコースの内側を走る非紳士的行為を犯しながらも、小宮山を抜き去る快走を見せた。外国人選手のリレー参加は志願制だ。前回はペレスが足の痛みを発症するなどアクシデントもあっただけに指揮官も慎重だったが、ゴメスは「行くぜ!」と迷わず親指を立てた。
昨年、ドミニカ共和国への帰国前に通訳を交えた3者面談の場を設け、5キロ減量を宿題に課した。ゴメスはボスのリクエストに応じ、母国で過ごした約2カ月間で125キロ→119キロのダイエットに成功した。
ところが、沖縄キャンプで肉、炭水化物の摂取量が過ぎたのか、前クールの計測で123キロまでリバウンド。金本監督は苦笑し、「110キロくらいまで落としなさい」と、ぽっこり出たおなかをさすった。
走れる4番へ、肉体面の徹底管理も超変革の一環だ。日本では14年に1盗塁を記録したのみで、レッドソックスに所属した12年のメジャー時代は0。マイナーの10年間でも通算15盗塁。それでも、金本監督は言う。走れ!ゴメス!