金本監督 対外試合は全敗でもOK!

 「阪神春季キャンプ」(15日、宜野座)

 阪神・金本知憲監督(47)がキャンプ休日の15日、沖縄県内で取材に応じ、自身初陣となる16日の練習試合・楽天戦(宜野座)からの対外試合について持論を語った。勝負にこだわる闘争スタイルは公式戦まで封印するスタンスで、開幕までの練習試合4試合、オープン戦15試合の計19試合の対外試合は「訓練の場」と位置づけ、勝負度外視で臨む考えを明かした。

 金本監督は含み笑いで報道陣にくぎを刺した。

 「記者の皆さんはすぐ、この点差でバントかよ!とか書くかもしれないけれど、あくまでオープン戦だからね。前もって言っておきますよ」

 キャンプも折り返しを迎え、3月25日の中日との開幕戦まで40日を切った。わずかな手応えと山積みの課題を胸にとどめながら、16日の楽天戦でいよいよ初采配をふるう。プレシーズンとはいえユニホームの違う相手を目の前にすれば、無意識に闘争本能に火がつきそうなものだが、新人監督は冷静だ。

 「勝負にこだわる?全然、こだわらないですよ。ウチはレギュラーがバチッと決まっているチームじゃない。オープン戦(と練習試合)は、練習の場、訓練の場という位置づけのほうが強いかな。できるだけ野手に関してはまだ自由に打たせたいんだけどね。右打ちとかヒットエンドランというのは、あくまで練習の一環になる。イニング、点差に関係なくやっていってもいいんじゃないのかなとは思っているよ」

 野手のレギュラーは「鳥谷、福留、ゴメスの3人」と公言している。残り5枠をめぐる定位置争いはし烈だが、戦術の理解度などチームで深めるべき課題はなりふり構わず、実戦の場で指導していく。

 「状況に応じてというものを一から教え込まないといけない。例えば(終盤)9-0で勝っていても初回のつもりでヒットエンドランの練習をやっていくかもしれない。そこは(前もって)相手の監督にも少し失礼があるかもしれないのですが…と説明できればいいんだけどね。何をやっているんだと言われかねないので(笑)」

 極端に言えば開幕まで1勝もできなくてもいい。信念を崩さず、3・25までの19戦を本番の肥やしにする。

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