藤浪 オコエに先制打され余裕の?脱帽
「練習試合、阪神2-6楽天」(20日、宜野座)
阪神・藤浪晋太郎投手(21)が、楽天との練習試合で対外試合初先発。ドラフト1位・オコエ瑠偉外野手(18)=関東第一=に先制適時打を浴び、「プロの厳しさを教えてもらいました」と舌を巻いた。2度目の実戦登板は3回5安打6失点(自責2)と打ち込まれたが、本人は直球の質に一定の手応えを得たようだ。
痛烈なライナーが藤浪の足元を襲った。二回、1死一、三塁で迎えたオコエとのプロ初対決。初球153キロボールの後に投じた2球目だ。真ん中低め151キロを捉えられた。予想外の結果に、1万2000人の観衆はびっくり。快音を残した打球はどよめきと共に中前へ抜けていった。
「すごくいい振りをしている。プロの厳しさを教えてもらいました(笑)。雰囲気までは分からないですけど、いい選手であることは間違いないです」
藤浪は冗談交じりに天性の勝負強さをたたえた。昨夏から「オコエ君は能力が高い。おもしろい選手です」と注目。楽天戦の登板が決まると「プロの洗礼を浴びないようにしたい」と初対戦を心待ちにしていた。
試合前には敵将・梨田監督と対面し「ストレートでいったらどうや」と注文を受けた。要望通りの直球勝負に「2球目なので配球もないですけど、センター前に打たれました」と脱帽。三回に訪れた2度目の対決では145キロで三ゴロに仕留めたが、オコエのポテンシャルに舌を巻いた。
実戦2度目の登板は3回5安打、6失点。二回に2失策と暴投が絡み大量点を許した。ツーシームなど変化球がコーナーに決まらず、カウントを悪くしたところで、甘い直球を狙い打たれた。ただ、最速155キロをマークした「直球の質」には一定の手応えを得た。
「結果が結果なのでいいとは言えないですけど、感触は良かったです。(変化球も)ブルペンでの準備を大事にして、感覚を研ぎ澄ませていけば、大丈夫だと思います」
開幕投手大本命へ、首脳陣の評価は揺るがない。金本監督は「いろいろと試行錯誤しながらね。考えていることを試している雰囲気はあったよ。今の時期はいろいろと試せばいいと思う。不安?ない。まったくない」と強調。金村投手コーチも「前回よりストレートは良かったです。(課題は)本人も分かっています」と絶大な信頼を寄せた。
思い返せば、昨年の同時期に登板した初の対外試合・DeNA戦も3回4失点と打ち込まれた。藤浪は「なぜ打たれたかはっきりしている。これからは実戦的なブルペンにしていきたい」と力を込めた。浮き彫りになった課題をクリアし、次の登板に備えるだけだ。