秋山3回完璧!江夏氏直伝“心眼”投法
「オープン戦、ヤクルト1-5阪神」(21日、浦添)
リーグ王者のクリーンアップが天を仰ぐ。マウンドで躍動したのは阪神・秋山だ。山田とバレンティンを連続で見逃し三振に仕留めるなど、3回無安打無失点の完ぺきなピッチング。先発ローテ争いへ、アピール大成功の27球となった。
「今日はゾーンが広かったですけど、全体的に低めに、よく制球できました」
2番手で五回から登板すると、1死から川端が遊撃失策で1死一塁。迎えた山田には1-1から2球続いた外角低めへの直球で見逃し三振に。続くバレンティンには低めに制球されたカーブで追い込み、2-2からの5球目の外角低めへの変化球で勝負あり。手を出させなかった。
「(16日の楽天戦と)この2試合は(低めの制球が)できているので続けたい」と秋山。鮮やかに決めた外角低めへの制球。意識は強い。この日、ネット裏で観戦していた阪神OBの江夏豊氏から、18日に「原点(外角低め)への真っすぐを目をつぶってでも投げられるように」と重要性を説かれていた。その教えに目の前で応えた。
六回と七回はいずれも3人でピシャリ。リズムのいい投球に、金本監督は自身の現役時代を思い返したほど。「もともと1年目(10年)の時にボールの出どころの見にくさというものがあって、打者からすればタイミングが自然にズレてしまう。あの時に戻りつつあるのかな」と称えた。
昨年、この浦添でのヤクルト戦で先発したものの、予定の3回を持たず2回6安打6失点で降板した。それだけに「去年は予定イニングがもたなかったので、良かったです」と笑顔。金村投手コーチも「(先発の)チャンスはあると思います」と合格点を与えた。江夏氏の教えを胸に、苦い過去も払拭(ふっしょく)して次なる道も切り開いた。