能見、初登板で指揮官称賛の2回零封
「練習試合、阪神7-1日本ハム」(25日、宜野座)
柔らかな笑みに手応えがにじんだ。阪神・能見篤史投手(36)が対外試合に初登板。2回1安打無失点、2奪三振の投球を「それなりにしっかりと試すところは試せたと思います」と振り返った。
最大の収穫は直球の質の向上だ。四回、先頭の右打者、石川のアウトローへ143キロをズバッと決めた。昨秋、就任直後の金本監督から「老け込むには早い。もう一度本格派を目指してほしい」と声を掛けられ、ウエートトレーニングなどで鍛え直した。能見は「相手がどういうスタイルで待っていたのか分からないけど、しっかりファウルも取れていた。悪くないと思います」と成果にうなずいた。
五回はさすがの投球術も披露した。不運な安打と味方の失策で1死一、二塁のピンチ。併殺を打たすのに絶好の機会だった。ここで松本を直球で追い込むと、最後は低めのチェンジアップを打たせて三ゴロ。三塁・陽川の処理が遅れ、一塁は際どくセーフとなったが、納得の配球だった。
「しっかりいろんな意図がありながらのところだったので。コミ(小宮山)も狙っていただろうし。試合勘として徐々に上げていかないといけないので」
文句なしの仕上がりに金本監督は「今日はチェンジアップとフォークを振ってきたよね」とボールのキレを称賛。この日の最速は144キロ。多彩な変化球も駆使しながら、もう一度、本格派へ返り咲く。