3番鳥谷、4番ゴメスが2者連続弾
「阪神紅白戦、紅組7-3白組」(28日、宜野座)
阪神・鳥谷敬内野手(34)とマウロ・ゴメス内野手(31)が28日、紅白戦でそろって実戦初本塁打を放った。五回に鳥谷が2ランを放つと、すかさずゴメスが2者連続弾。猛虎打線の軸となる2人がアーチ競演し、キャンプ最後の実戦を最高の形で締めくくった。
南国らしい日差しがさんさんと降り注ぐ中、待望の一発、いや2発が飛び出した。紅組の3、4番に座った鳥谷とゴメスが豪快な2者連続弾で、客席の虎党を酔わせた。
まずは鳥谷だ。五回無死三塁から、白組2番手の二神が3ボールから投じた141キロの直球を、ドンピシャのタイミングで振り抜いた。グンと伸びた打球は、そのまま右中間に着弾した。
実戦2試合目での初アーチ。ちょうど今季のスローガン『超変革』がフェンスに掲示されている上を越えていった一撃には、まさしく進化の兆しが現れた。今季20本塁打を厳命し、キャンプで新打法を指導してきた金本監督は言った。
「押し込みがあったね。バットにボールがくっついている時間が、今までより長く感じたんじゃないかな」
左肘をうまく使ってヘッドの力を伝えられれば、長打力は増す。鳥谷自身も「そういうふうに練習はしているので」と一定の手応えを明かすと「しっかりと捉えられたのはよかった」と振り返った。
そして、ゴメスだ。鳥谷弾の余韻が冷めやらぬ初球、143キロを左越えに豪快に運んだ。3試合目での実戦初安打初本塁打に「しっかりタイミングを合わせる意識でやったけど、ラッキーにもホームランになったね」と、声を弾ませた。
実は、動画サイトでカブレラ(元西武)らのフォームを参考にタイミングの取り方を変更。フリー打撃中には、金本監督から「トップを早くつくらないと」と、助言をもらっていた。好結果に「監督はすばらしい実績のある方。しっかり聞いて生かしたい」と、意気込みをさらに強くした。
超変革を遂げる猛虎打線。視察した中日の佐藤スコアラーも「一発で仕留める能力が高い、打てる人に長打が出ると得点力が上がる」と、警戒感をつのらせた。「いいキャンプが送れたよ」とゴメス。確かな手応えを持って、南国を後にする。