金本監督に超変革手応え!まだ鍛える

 「阪神春季キャンプ」(29日、宜野座)

 阪神は、宜野座での1カ月に及ぶキャンプを打ち上げた。「超変革」の言葉の下、金本知憲監督(47)はチームの雰囲気の変化などに手応えを感じた上で、3月の2週目までは、ここまでのキャンプと同じようなメニューを行っていく方針を明かした。「鍛えるキャンプ」で成果が見えつつあるだけに、ここで止めることなく継続し、さらなる成長に期待を寄せた。

 快晴の青空に、にぎやかな声が響く。笑顔が映える。最後は全選手参加のリレー。宜野座が充実感で満たされた。「超変革」の言葉を胸に挑んだ、1年目のキャンプ。「特に大きなケガ人もなく、元気と覇気がかなりあったように思います」。金本監督の表情が緩んだ。手応えは、ある。

 「雰囲気づくり、野球への姿勢、取り組み方を変えていくと言ってたんですけど、確かにキャンプでは、雰囲気は変わってきてるんじゃないかという感触はあります」

 変革の波を起こす。精力的に動き「厳しく、明るく」の言葉通りにキャンプを進めた。投手陣の順調な調整ぶりを見届けた。大砲育成のため陽川や江越、横田らに熱のこもった指導を繰り返した。高山という素材とも出会った。試行錯誤を経て、成長を感じられるところまできたが、この日の打ち上げはあくまで通過点でしかない。

 「若手に関しては3月最初の週、第2週ぐらいはしっかり鍛えていくというね。キャンプの延長戦という考えは持っています」

 ここまでの日々に手応えがあるからこそ、「鍛えるキャンプ」は継続する。「試合があっても(特打や特守など)若い奴にはやらせる。(甲子園なら)室内もあるし」。3日のソフトバンク戦からオープン戦が始まるとはいえ、若手に関してはある程度、キャンプに近いような形で練習に取り組ませる考えだ。

 特打や特守などの技術的な練習と並行して、今キャンプには通常のメニューにも組み込んでいたように、ウエートも継続して行っていく方針。「慣れだから。俺は日本シリーズの時も(ウエートを)やってたから」。変化の兆しは見えている。だからこそ、ここで止めるわけにはいかない。

 さまざまな練習の効率化、メニューの工夫、意識の変化、そして徹底。29日間の中に「金本流」の色は確かに見えた。変革はキャンプだけでは終わらない。まだ始まったばかり。これからも続いていく。

 「(今後は)ずっと競争だからね。そうは言っても、開幕を見据えてというより、誰が勝ち上がってくる、というのが多く出てくるかな。シーズンに入っても競争ですから」

 鍛える日々の中、迫り来る開幕に向けて、誰がレギュラーのイスを勝ち取ってくるか。手応えと、さらなる期待を胸に、金本監督が沖縄を離れた。

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