ドラ1高山、オープン戦初安打&初打点
「オープン戦、ソフトバンク3-3阪神」(3日、ヤフオクドーム)
持ち前のシュアなバッティングは影を潜めた。ただ、転んでもただでは起きない。それでも結果を残すのが、スーパールーキーだ。
六回、1点を取って1点差に詰め寄り、なお2死二、三塁。ここで阪神のドラフト1位・高山(明大)がカウント1-1からの140キロ直球を振り抜くと、打球は高いバウンドで遊撃左へ跳ねた。見せ所はここからだ。50メートル5秒8の俊足を披露し、送球が一塁へ到達する前に悠々と一塁を駆け抜けた。オープン戦初安打は内野安打で、初打点もマーク。高山の武器は打撃だけではない。
第1打席は二ゴロ併殺。第2打席は空振り三振。しかし「意識は1打席目、2打席目と特に何か変えるところはなかった」とブレることはない。守備でも七回、金子圭の左中間への飛球をフェンスにぶつかりながら好捕。「(フェンスは)怖くはないです」と話す精神面も頼もしい。
これまでの実戦では、走攻守全てでアピールしている。はたから見れば、それはこの試合も同じ。だが、背番号9の胸中はそうではない。
先頭打者として迎えた九回、マウンドには相手守護神のサファテが立った。150キロ超えの剛速球で追い込まれ、最後はフォークに当てるだけとなり二ゴロ。「塁に出ていれば試合が変わったかもしれない。ああいうピッチャーから打てるようにしたい」。一流投手から結果を残せなかったことを悔やんだ。
前日、高山を積極的に起用する方針を口にした金本監督は「自分で工夫していかないといけない。いい投手は打てませんじゃダメだから」と注文も忘れない。いくら期待の新人とはいえ、ずっと出番が保証されているわけではない。それは本人も心得ている。
「結果が出るも出ないも、全てが成長だと思う。打っていない打席も経験としてやっていく」。新人らしからぬ言葉で初のオープン戦を振り返った高山。反省と試行錯誤の日々は、まだまだ続く。