金本監督ゲキ怒に北條応えた!摂津撃ち

 「オープン戦、ソフトバンク3-3阪神」(4日、ヤフオクドーム)

 阪神・金本知憲監督(47)が、ふがいない打線に激怒した。若手主体の打線が二回までに見逃しを含む4三振と散々で、三回の攻撃前に円陣。ファーストストライクを積極的に打つように指示した。するとこの回、北條史也内野手(21)が初球打ちで左中間を破る先制二塁打。指揮官のゲキに即座に応えた。

 ただ打席に立っているだけ。金本監督の目には、若トラたちの姿がそう映った。相手が5年連続2桁勝利を記録中の摂津とはいえ、二回までに4三振を喫した打線に対して怒りは頂点に。そして三回の攻撃前、指揮官が動いた。円陣を組み、猛ゲキを飛ばした。

 「なんとなく打席に入っているから。気持ちの準備ができていなかったからね、みんな。簡単に追い込まれて三振4つ。そのうち見逃しが2つ。そんなの若い選手のすることじゃない」

 するとこの回、即座に効き目が表れた。先頭の高山が初球を打って右前打。続く小宮山は相手の失策になったが、これも初球打ち。1死一、三塁のチャンスを築くと、北條がこれも初球の133キロを左中間へ運んだ。あれだけいいようにやられていた摂津から、あっさり先制点を奪った。

 「最初からそうやっていって、相手がどんどん変化球から入ってきたら対応するというのが基本。基本は絶対、そこだから。まだまだ駆け引きとか、そういう立場じゃないし…。攻めて攻めて攻めて!というね。その中でボールを見極めていくということが大事」

 第1打席は見逃し三振に倒れていた北條は「(円陣で)ネクストからもっと準備するようにと、結構キツく言われました」と証言。一方で「狙い球を絞って打席に立ったので、一発で仕留められたと思う」と円陣の効果を口にした。

 2-3の七回2死二塁の場面では、ファウル2本で追い込まれ、最後は変化球にタイミングを外されたが、しぶとく左翼線へ同点の二塁打。2安打2打点の活躍を見せ、金本監督からも「チャンスで、2ストライク後だからね。抜け球とはいえ、あそこは評価されるべき」と褒めたたえられた。

 二回まで手も足も出なかった打線は、終わってみれば9安打。しかし、もちろん1日だけ結果が出たからといって、合格ではない。指揮官は「あしたから重点的にそこを見ていこうと思う」と甲子園に帰っても、同じ姿勢を求め続ける。金本イズムを即効性のものでは終わらせない。

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