2番北條を指揮官絶賛「今日のMVP」
「オープン戦、阪神4-0日本ハム」(13日、甲子園球場)
迷いなく振り抜いた打球は、日本ハムの遊撃・中島が差し出したグラブをかすめて、中前へ到達した。0-0の六回2死三塁。阪神・北條史也内野手が、カウント1-1から有原の直球を捉え、先制適時打を放つ。鳥谷の代走で四回から出場。これがこの日の第1打席だった。
「チャンスを逃すと、相手に流れが行くと思った。(1本)出てよかった。真っすぐに踏み込んでいこうと思っていた」
1本だけでは終わらない。先頭で迎えた八回。3番手・白村が内角低めに投じた134キロをジャストミート。左翼フェンスに直撃する二塁打を放った。「初球でファウルを打ったときに押されている感じがした。前へという感じで振り抜いた」と振り返った。
これでオープン戦は7試合に出場し、18打数10安打。打率・556と驚異的な数字を残す。日本ハム戦では狙い球を定めて打席へ入り、それが奏功した。「僕の立場だと、ずっとアピールしていかないとダメなんで。1打席、1打席集中して、1球も無駄にしないように思っている」と鼻息は荒い。
2安打1打点の活躍に金本監督は「やっぱり今日のMVPは北條でしょう」と絶賛。「ゲッツーで残ったランナーをパッとかえして。北條のヒットが結局、ゴメスとか福留のいい当たりを呼んだようなものだから」と5連打のきっかけとなる一打を高く評価した。
開幕1軍が徐々に近づいているように見える。だが、指揮官は「まだ分からない。いろいろと方針もあるし。そこら辺の方針というか育てるという面で、変えていきたいところもあるので。今から要相談になります」と話すにとどめた。
プロ4年目を迎え、その打撃は確かな輝きを放ち始めた。このまま打ち続けて、必ず金本阪神に欠かせぬ存在になる。