掛布2軍監督、大敗でも収穫ありの船出

 「ウエスタン、阪神2-9中日」(15日、鳴尾浜球場)

 ウエスタン・リーグは15日、2試合が行われて開幕した。掛布雅之2軍監督(60)が率いる阪神は中日に2-9で敗れ、大敗スタート。それでも「手応えを感じる」と収穫を口にした。昨オフ、鳴尾浜の指揮官を命じられ、28年ぶりに背番号31の縦じまに袖を通すことになったミスタータイガース。「超変革」のスローガンの下、若手育成計画が本格的に始まった。

 試合終了後、掛布2軍監督はスコアボードを見つめていた。公式戦の初陣は2-9の敗戦。「負けたなぁという感じ。大敗ですよ」。だが、初采配をふるったミスタータイガースの表情は晴れやかだった。選手たちのはつらつとしたプレーに心を動かされていた。

 まず真っ先に挙げたのは、五回1死。江越が快足を飛ばし、一塁内野安打をもぎ取った場面だ。

 「江越が今こういう状況の中で、悔しい気持ちを持ってファームでやってますけど。ああいう姿を見せてくれたというのが、収穫だと思いますね」

 三回2死一塁で、森越の投手強襲安打の間に三塁まで進塁した清水。八回に三遊間を破る左前打を放った中谷も、指揮官の目に留まった。「今やろうとしている野球をしてくれたのでね。手応えを感じますよ」。2月1日のキャンプインからずっと描いてきたチーム像が、ぼんやりと見えてきた。

 「今年の2軍のテーマは自分の野球に責任を持つ。野球の怖さを知るということでスタートしましたので。この1敗は僕も重く受け止めますし、選手一人一人が自分の野球に対する責任を感じている。だから負けのスタートも、良かったのかなぁと思いますね」

 生え抜きの4番としてチームを支え、85年の日本一の立役者となった掛布2軍監督。プロ通算349本の本塁打は、虎を背負うプレッシャーと戦い続けた努力の結晶だ。

 「4番として仕事をできないと思ったから、ユニホームを脱いだんだよ」。33歳という若さでの引退は、自身の野球と向き合った結果。指導者として伝えたいことはプロ野球の厳しさと、生き抜いていくための心構えだ。

 「この意識を忘れずにいけば、必ずいい流れはくると思います」

 試合開始前の午前11時43分に満員御礼の札止めとなり、鳴尾浜は500人のファンで膨れ上がった。ファームにも確かに「超変革」の息吹が吹いていた。31年ぶりの日本一を目指す中で、2軍は成長するための土壌。その中心には、掛布雅之がいる。

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