金本監督 北條の体重「事件」究明や
阪神・金本知憲監督(47)が15日、オープン戦絶好調の北條史也内野手(21)の体重減を問題視した。13日の日本ハム戦で2安打した21歳を「MVP」と評価。そのうえで今後の起用方針について「要相談」と明言を避けていたが、この日、北條が4キロ痩(や)せたことに警鐘を鳴らし、原因究明が不可欠だとした。筋肉が4キロ落ちていたら「事件」と言う指揮官は「特別捜査」に乗り出す。
金本監督は「事件」と言った。プロ4年目の北條について特捜を設置せんばかり気をもんでいる。オープン戦打率・556と成長著しい21歳だ。待ち望んだ鳥谷の後継者候補。もろ手を挙げて喜べばいいものを、なぜだ。
「一番気になっているのは北條の体重が落ちていること。除脂肪(じょしぼう)体重というものがあってね。脂肪を除いた体重が落ちていなければ逆にいい状態。4キロ減なんだけど、脂肪が落ちただけの4キロなら何も考える必要はない。もし筋肉だけで4キロ減っているとすれば、結構な事件だと思う」
キャンプ前、選手の体重、コンディションに応じてウエートトレーニングによる筋力増のノルマを課した。これを順調にクリアした北條はフィールドパフォーマンスを上昇させ、結果につなげた。だが当然、練習量による減量は免れずマイナス4キロ。指揮官は「減」の正体を究明することが重要だと考える。
「オフに鍛えて筋肉だけで体重を増やしたのに、落ちている。筋肉が落ちているなら対策を考えて落ち方がどうか究明しないといけない。パフォーマンスが落ちるから。今すぐやらせるか、どのタイミングで体重をいい状態に戻してやれるのか。北條は状態がいい。かなり成長しているから、そのまま経験させたい思いもある」
トレーナー陣が北條の体脂肪を計測し、筋肉量が減少しているなら、16日からの関東遠征中に「北條事件」がコーチ会議の緊急議題に挙がることになる。
「2軍に行かせるとかそういう話じゃない。練習量を落として、もう一度トレーニングで追い込ませる時期を設けるとか…。俺も体重が落ちることとの闘いだった。長い目で考えるほうがいいのか、すぐ手を打つほうがいいのか。トレーナーに聞いたり、いろいろと相談しながら考えてみる。コンディションへの意識をつけさせることは彼の長い野球人生において、今、最優先にするべきこと。開幕1軍?残すも残さないも、今のままなら絶対に残るでしょ」
事件発生の場合、技術練習を削ってでもトレーニングのミニキャンプを課す。これも選択肢のひとつだ。「阪神の常識」にはなかった変革発想だが、北條を開幕戦力と考え、中長期の育成プランを温めるからこそ、金本監督は「されど4キロ」と、超本気になる。