高山1番打!金本監督の長打指令に即応

 「オープン戦、ヤクルト1-1阪神」(17日、神宮球場)

 今度は神宮で躍動した。阪神のドラフト1位・高山俊外野手(22)=明大=がオープン戦で初めて1番でスタメン出場すると、初回、ヤクルトのエース小川の初球を捉え、左中間二塁打とした。試合前、金本知憲監督(47)がチームに発した長打指令にすぐさま応え、先制のホームも踏んだ。開幕まで10日を切り、黄金ルーキーへの期待は高まる一方だ。

 プレーボールが告げられるやいなや、高山はもう二塁に到達していた。初回、ライアン小川の初球136キロの外角高めツーシームをフルスイング。芯でミートした打球は左翼・鵜久森のグラブをかすめ、ワンバウンドでフェンスに到達した。

 金本監督からの指令に、1球で応えてみせた。試合開始前、指揮官はチーム全体に「今日は長打いこうか」と要求していたのだ。オープン戦では初めて1番での出場となった高山だが「打順が変わっても、やることは変わらない」と問題なかった。

 これには金本監督も「(チームとして)オープン戦初の(外野の)頭越え。特に指示とかじゃなしにね、景気付けでね。オープン戦に入ってホームランゼロもだし、誰か越えてくれと思ってたら、いきなり越えたからね」。すぐに結果を残したゴールデンルーキーに目を細めるばかりだ。

 神宮でのプレーはプロ入り前の昨年10月18日の慶大戦以来、152日ぶり。慣れ親しんだ明大時代の“本拠地”で、水を得た魚のごとく躍動した。

 「やったことのある球場なので。初めての球場だと芝のクッションとか確認しないといけないけど、頭に入っていた」

 二塁打を放った小川は13年の最多勝右腕。二回には見逃し三振を喫し「手が出なかった」。五回は止めたバットに当たる不本意な三ゴロ。第2打席以降は抑えられ反省が口をついたが、「向こうは開幕に合わせている。ボールを見られたのは経験としてはよかった」と失敗も勉強と捉えて前を向いた。

 試合前、明大の先輩、ヤクルト・野村バッテリーコーチにあいさつに出向くと、敵将・真中監督も加わり談笑。ドラフトの因縁もあったが、もう過去の話。シーズンでは覇権を争うよきライバルとしてしのぎを削る覚悟を決めた。

 クラブハウスに引き揚げる道中では三塁側スタンドの虎党から「阪神入ってよかったやろ!」と声援が飛んだ。一瞬、笑みを浮かべたが、まだシーズンは始まってもいない。結果を出し続け心の底から満足できるまで、高山は歩みを止めない。

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