掛布虎が初星!4戦目でチルドレン奮起
「ウエスタン、阪神5-0オリックス」(18日、鳴尾浜球場)
阪神・掛布雅之2軍監督(60)が18日、ウエスタン・リーグ開幕4戦目にして公式戦初勝利を飾った。1軍開幕投手のランディ・メッセンジャー投手(34)が好投し、攻撃陣も11安打と奮起してオリックスに5-0と快勝。記念のウイニングボールは大事に保管と思いきや、自身のサインを書き、虎ファンで埋まった三塁側スタンドへ投げ入れた。
掛布2軍監督は、やはりミスタータイガースだった。指揮官として念願の公式戦初勝利を飾り、捕手・小豆畑からウイニングボールを受け取る。するとポケットからペンを取り出し、サインを書き始めた。「掛布さ~ん、掛布さ~ん」。声援が響く三塁側スタンドへ投げ込むと、球場は大きな拍手に包まれた。
「(前から)決めていたわけではなかったんだけど、そうした方がいいと思って。僕がもらうボールでもないし、ファンの方が持っていた方がうれしいんじゃないですか?これでいいでしょ?」
記念球を手にした大阪府池田市在住の会社員(53歳)は「最高にうれしいです」と感激しきりだった。選手にプレッシャーを感じてもらうため、ファンの目を常に意識している指揮官。この日は平日にもかかわらず約400人の観客が鳴尾浜を訪れた。掛布2軍監督が描く育成の土壌で、若虎たちも奮起する。
「25日(1軍開幕)までに間に合えばいいな、と思っているんだけど」と昇格候補として期待する江越が、2安打1盗塁と活躍した。試合前、構える時にバットを揺らしてタイミングを取るのではなく、下半身だけで合わせるようアドバイス。即実践したまな弟子を評価し「今日の一番の収穫は江越の2本のヒットじゃないかな」と笑顔で振り返った。
他にも陽川の2ランを含む3打点や、荒木の2安打1四球も攻撃のキーポイントになった。メッセンジャーの好投も光ったが、流れに乗った野手陣の活躍も勝因の一つ。自身の初勝利よりも、選手たちの充実した表情が何よりうれしかった。
「メッセ、メッセ。メッセで勝つって言っただろ?『汚い勝ち』と書いとけよ(笑)」
鳴尾浜から「超変革」の波を巻き起こす。ファンの声援を力に、背番号31は指揮官としての道を歩んでいく。