梅野、虎本塁打ゼロ危機阻止したん弾
「オープン戦、オリックス2-2阪神」(21日、京セラドーム大阪)
この一発を待っていた。阪神・梅野隆太郎捕手がチームの不名誉記録を阻止するとともに、自らも正捕手争いへ大きなアピールとなる一撃を放った。
先頭打者で臨んだ三回。オリックス先発・西の外角直球を力強く振り抜いた。右方向への打球は、さらにひと伸びを見せスタンドへ消える。瞬間、打たれた西は驚きを隠せない表情を浮かべた。
「感触はよかった。いってくれと思っていた」と梅野。ここまでオープン戦のチーム本塁打はゼロ。65年以降、本塁打ゼロで開幕を迎えたチームはない。
「ずっと言われてきましたしね」と最終戦での1号に笑顔。片岡打撃コーチも「今日は梅野のおかげでよく寝られます」と胸をなで下ろす。ただ、それ以上に梅野は「個人的にもすごく価値ある1本になった」と喜んだ。
し烈な正捕手争い。打撃で結果を求めるあまり「打席の中で迷いがあった。結果をほしがり悩んでいた」と持ち味の豪打が影を潜め岡崎らとの競争に後れを取っていた。
だが「インパクトが強いのをほしかった」と本塁打を放つ打撃センスは、やはり非凡だ。「現状は2枠。キャンプ同様に競争なので」と矢野作戦兼バッテリーコーチは言う。競争が続く中、自らのスイングを取り戻した梅野が存在感を示した。