優勝招く?招き猫伝説「キャッツ」上演
25日のプロ野球開幕まであと数日。ペナントレースの行方を予想するのも楽しいが、阪神にとって気になるのが、7月から大阪で13年ぶりに上演される劇団四季のミュージカル「キャッツ」(大阪四季劇場、ロングラン上演)だ。実はこの「キャッツ」は、上演地に本拠地を置く球団に優勝を運ぶという、知る人ぞ知る“Vまねき猫”だ。
東京での日本初演となった1983年に巨人が優勝したのを皮切りに、85年の大阪初演時には阪神が21年ぶりに優勝した。以後も88年の名古屋初演時には中日、99年の福岡再演にはダイエーが、最近では13年に仙台で上演し、楽天が優勝。本拠地球団がある場所では延べ37カ所で上演され14球団が優勝(うち6球団が日本一)している。
大阪での開催に限ると、92年の再演時は最後まで優勝争いし同率の2位、2001年はなんと最下位になっている。最下位なのに招き猫?といきなり眉唾になりそうだが、実は01年のパ・リーグ優勝は、“大阪”を球団名に持つ近鉄。しっかりと伝説は生きていた。
今シーズン、阪神にとってこの“キャッツ伝説”の強力なライバルになりそうなのが京セラドーム大阪を本拠地とするオリックスだ。過去の3回の上演場所は旧国鉄の西梅田コンテナヤード跡地の仮設劇場、大阪スタヂアムグラウンド内特設ドーム、大阪MBS劇場。過去の上演劇場と本拠地の距離は、85年が甲子園まで13キロ、藤井寺球場まで17キロ(阪神優勝、近鉄3位)、92年の甲子園、藤井寺球場はともに14キロ(阪神2位、近鉄2位)、01年は甲子園13キロ、大阪ドーム6キロ(阪神6位、近鉄優勝)と距離が近い方が優勝している。
そして今回。大阪四季劇場から京セラドーム大阪まで約5キロ、甲子園までは約13キロ。しかし大阪四季劇場が入居するハービスPLAZA ENTは阪神の親会社である阪神電鉄が経営。さらに85年の上演場所と、今回の大阪四季劇場はわずか100メートルほどはなれているだけと、上演地の縁起はいい。距離ではオリックスに負けるが、阪神にも“ご利益”は十分期待できる。
キャッツは都会のゴミ捨て場で年に1度の舞踏会に集まった猫たちが繰り広げる物語。舞台だけでなく客席の壁一面にもゴミのセットが組み立てられている。このゴミは上演地によって違うのがミソ。過去の大阪公演では、阪神のメガホンや551蓬莱の豚まんの箱、たこ焼き器などが点在し、ムードを盛り上げた。大きさも「猫の目から見た」サイズで再現されており、ジュースの缶も40センチ弱と、通常の3倍はある巨大なもの。今回もどんなゴミが隠れているのか、劇場を探検するのも楽しみの一つになっている。