高山行け!開幕先頭初球弾 アニキ指令だ
「阪神-中日」(25日、京セラドーム大阪)
阪神のドラフト1位・高山俊外野手(22)=明大=が24日、大物ぶりを漂わせた。「1番・左翼」での先発が濃厚な25日・中日戦に向けて「開幕だからといって何かを変える必要はない」と明言。ルーキー離れした不動のメンタルで、143試合の中の1試合に臨む。
大ベテランですら特別な感情を覚えることがある開幕戦を前にしても、22歳の若者は微動だにしない。普段通り、報道陣の質問に対してはっきりと言葉を紡ぐ。そこに浮ついた雰囲気は一切ない。
「いつもと変わらない感じです。開幕するという感覚も、他の人と比べたら感じないので」
日大三での甲子園制覇、ユニバーシアードでの世界一…。これまでの野球人生で数々の大舞台を経験した。ただ、その時々で多少の緊張を感じることはあっても「これはやばいなというのはないですね」と、極度の緊張とは無縁だったという。
オープン戦は14試合に出場し、打率・327。先発した13試合全てで安打を記録し、対左投手も同・545と苦にすることなく、開幕スタメンを勝ち取った。この日は金本監督の指導で、ポップフライが増えたという打撃を修正。開幕前に不安の種は取り除いた。
相手の先発は大野。前日は指揮官から初球打ち指令を出されたが、この日は「(相手が)初球真っすぐでいくと言っているので、ガツンとホームラン!で、いいんじゃないですか」と本塁打指令に“上方修正”された。
それでも本人は「どこに来るか分からないですし、大きく振ることはない。タイミングを合わせて強く振ることができれば」と至って冷静。プロ野球史上初となる新人の開幕戦初球先頭打者本塁打という快挙も期待されるが、信念は変えない。
「必要以上のことを考えずにここまでやってきた。開幕だからといって気持ちを新たにする必要はないと思う。あしたもきょうと同じ気持ちでやれれば」
大物ルーキーにとっては、それがデビュー戦であっても、さらには開幕戦であったとしても、あくまで普段と同じ1試合。全国の野球ファンが注目する「3・25」も、高山にとっては何の変哲もない一日だ。