金本監督やり返す!菅野に今季初の零敗
「巨人3-0阪神」(6日、東京ドーム)
菅野の前に今季初完封負けを喫し、虎が首位浮上のチャンスを逃した。七回の飛球判定を巡り、阪神・金本知憲監督(48)が抗議を行うなど、随所で勝利への執念を見せたが、実らなかった。これで今季初の伝統の一戦は1勝1敗のタイ。第3戦は必ず、勝利で飾ってみせる。
前夜2時間35分の快勝劇から24時間後、金本監督は完敗を覚悟した。時計の針が8時半を回った八回。先頭高山から始まる攻撃はわずか8球で三者凡退した。フルスロットルの菅野を終盤に止める手だては見当たらない。最終回も福留、ゴメス、鳥谷がわずか5分で片付けられ、2時間46分の完封勝利を献上。新人監督は「それにしても菅野が良すぎたんじゃない」と、脱帽するしかなかった。
巨人の7安打に対して、6安打。序盤3イニングで5安打し、つけ入るスキがなかったわけではない。だが、3連敗中だった相手エースに中盤以降ペースをつかまれ、五回の失点以降、反撃の糸口すらつかめなかった。
この夜、左翼席の阪神ファンが最も沸いたのは、残念ながら菅野を追い詰める攻撃シーンではなかった。七回。金本監督が三塁ベンチを飛び出し、抗議に出た。1死一塁の場面で梅野の打球を左翼手の中井がスライディングし、ワンバウンドで捕球。微妙なプレーに三塁塁審・山路の判定が遅れ、一塁走者の鳥谷はスタートを躊躇(ちゅうちょ)。山路塁審は中井の返球後セーフのコールをし、二塁フォースアウトでレフトゴロとなった。
この判定に金本監督は猛抗議。1分45秒の間、口をとがらせたが、判定が覆ることはなかった。「ジャッジが遅いよ。問題外。投げた後にジャッジしたでしょ。あんなのあり得ない。走者はどうしたらいいの。そりゃ固まるよ。どうしようもない」。試合後、指揮官はやり場のない怒りを抑えるように話したが、拙いジャッジに勝機を邪魔された…とは言えない試合だっただけに、冷静に焦点を見据えることは忘れなかった。
「菅野は良かったけれど、何とか打者の工夫を見たかった。良かったから、ハイ!以上!というわけにはいかない。しっかり反省してほしいし、次の対策というもの、次につながる反省の仕方を選手個々がしてもらわないと(困る)」
エース級をいかに攻略できるか-3月のオープン戦で実績のない若い投手をどれほど粉砕しても「勘違いしないように」とクギをさしてきた。これで1勝1敗のタイ。「明日、巨人は若い投手(平良)だけど、油断はしないように…」。11泊12日の関東遠征のラストをG倒で締めくくり、威勢よく甲子園開幕を迎えたい。