金本虎10点G倒!敵地で勝ち越しや
「巨人1-10阪神」(7日、東京ドーム)
強い。敵地で猛虎が大暴れだ。金本知憲監督(48)率いる阪神が、宿敵巨人を2桁10得点で蹴散らし、カード勝ち越しを決めた。4番の先制2ランに、開幕投手の投打の奮闘。これで開幕から4カード連続負け越しなし。さあ、8日からは今季初めての甲子園。この勢いのまま突き進め!
金本監督は八回を投げきったメッセンジャーのもとへ自ら歩みよった。開幕投手はボスの心を読んだかのように笑顔でこう言った。
「マテオを投げさせないといけないんでしょ。分かっているよ」
開幕6戦目のヤクルト戦(神宮)で3イニングまたいで以降、登板間隔の空いた守護神の調整をエースが思い量った。「性格的に最後まで投げたい投手なんでね。でも、向こうから言ってきたよ」。金本監督はベンチ内でのやりとりをいたずらっぽく振り返った。
「今季からチームが変わっていくぞということでね。メッセも東京ドームで相性が悪かったし、藤浪も…。しばらく勝てなかった両エースが東京ドームで勝ったということを前向きに、いいふうに捉えています」
プロ初登板初先発の平良に三回まで封じられたが、四回に福留の2ランで先制するとメッセンジャーの2点適時打で4点を挙げ、KOに成功した。この回攻撃前にベンチ前で円陣を組み、初モノを攻略。五回にもゴメスの適時打、鳥谷犠飛に続き、岡崎の適時打まで生まれ一挙5点を挙げた。最終回にも江越に一発が飛び出し、12安打10得点の快勝劇に指揮官も満足げだ。
「巨人というよりは首位にいるチーム。まだ順位はまったく関係ないけれど、セ・リーグでは一番勝っているチームですから、そのチームに2勝できた。勝ち越せたというのは、大きいです」
昨季2勝11敗の鬼門東京ドームで、もう2つ勝った。これで開幕から4カード連続負け越しなし。シーズン最初の東京ドームで勝ち越すのは11年以来。5年ぶりの進撃となり、開幕ダッシュを決めた由伸巨人に初めて2つの黒星をつけた。
それでも、手綱を締めるように言う。「まだ、(連続の勝ち越しは)2カードだけだから」。ヤクルト戦に勝ち越せなかった。DeNAの初戦、勝ち試合をサヨナラで落とした。前夜は菅野に完敗した。掘り出せば反省材料はどんどん浮かぶ。だからこそ関東遠征3カードの悔しさをあえて引きずり、残り131試合に向けた糧にする。
「この3つのアウェー、関東の9試合で3敗しかしなかったということはすごく大きいと思う。今の調子、今の勢いを甲子園のファンにそのまま見せてほしいし、どんどんもっと暴れてほしい」 7勝4敗1分け、首位巨人に0・5差と肉薄し、甲子園開幕に臨む。超満員で迎えるホームの虎党の前に、変革途上の金本阪神が威勢良くがい旋する。