江越4戦連発13打席でセ界トップタイ
「阪神2-6広島」(9日、甲子園球場)
阪神・江越大賀外野手(23)の出場4試合連続のアーチも、この日ばかりは実を結ばなかった。四回無死一塁、初球の外角へのカットボールを踏み込んで強振。勢いよく舞い上がった打球は、そのままバックスクリーンに飛び込む先制2ランとなった。
今季初の先発となった前日に金本監督からかけられた“おまじない”が効いている。「きのうの試合の前に『2番だけどバントはあまり考えていない。ゲッツーを恐れずいけ』と言われました」。その試合でも、初回1死から左翼席へソロ。失敗を恐れない心が、迷いのないスイングを生んでいる。
そして、この日も金本マジックは用意されていた。試合前練習中に突如、「裏でシバいたる」とほくそ笑む指揮官によって、ベンチ裏のスイングルームに“強制連行”。外部からは見えない空間で、約10分にわたるマンツーマンの打撃指導を受けた。
「言われたことを意識して、試合中にも監督から『少しマシになった』と言われました。(体の)軸が前に行きがちだったので、それがだいぶ良くなったと」
指揮官の言葉でこりをほぐした前日とは違って、この日は実技指導そのものを結果につなげた。試合自体には敗れはしたが、チームが昨季6戦4敗と苦しめられた黒田からの一発ということにも価値がある。
守っても同点の九回2死二塁、自身の後方を襲った打球を背走しながらスーパーキャッチ。攻守の活躍は勝利につながらず、本塁打を打った試合の無敗記録は8で止まったが、まだ4月、悲観する負けではない。わずか13打席でリーグ最多タイの4本塁打を放った背番号25が“シバかれた”後でも元気な姿を見せ続ける限り、チームの未来は明るい。