阪神ショック 高山欠場…右肘に異変か
「中日4-3阪神」(16日、ナゴヤドーム)
痛すぎる敗戦だ。阪神は1点リードの九回に守護神のマルコス・マテオ投手(31)がつかまり、痛恨の逆転サヨナラ負けで3位転落。金本知憲監督(48)は「これも野球だし」と悔しさをかみしめた。ドラフト1位・高山俊外野手(22)=明大=は、右肘の違和感で今季初めて欠場。阪神にとってはWショックの一戦となった。
祈るように見つめたが思いは届かない。杉山の打球が、中堅・横田の頭上を越える。3点リードからの逃げ切りを図ったリレーも実らず、2日続けて竜に屈した痛すぎるサヨナラ負け。中日ファンの大歓声を遠くに聞きながら、金本監督が悪夢の敗戦を振り返った。
「(マテオの)調子がね、スライダーの曲がりが…。(勝ちパターンでの敗戦も)これも野球だし」
九回だった。守護神・マテオが、1点のリードを守りきれない。先頭からの二塁打と四球で無死一、二塁に。1死を挟み、またも四球で満塁のピンチを招くと、杉山に初球を中越えのサヨナラ二塁打とされてゲームセットだ。
今季2度目のサヨナラ負け。悔やまれたのは九回だけじゃない。先発・岩貞が3点のリードを守り、7回を100球で降板。「岩貞もいっぱいいっぱいだったみたいだしね。代え時は代え時だった」。八回から福原を投入したが、ベテラン右腕は1死も奪えずに降板するなど、1点差に迫られていた。
打線は五回に3点を奪ったが、その後は沈黙。七回からは無安打で一人の走者も出せず、流れは中日に傾いた。指揮官は「欲を言えば追加点があれば流れもこっちに来たんだろうけど」と振り返る。四回までも無安打で、結果的に計4安打。この日の打順は今季初めて。そうせざるをえなかったのは高山を起用できなかったからだ。
この日、高山は試合前のフリー打撃を行わずシートノックも入らなかった。試合ではベンチに入ったが、今季初欠場に。試合後、金本監督は「(欠場理由は)肘がロックしたみたい。今日は無理だったんじゃないかな。無理させてもあれだし」と説明。詳細は明かされていないが、右肘に何らかの「異変」が起こっているもようだ。
17日の出場に関しては、当日の様子を見てからかという問いに、金本監督は「そうそう」と答えた。3連戦の1、2戦目を連敗で落とすのは初めて。加えて、チームに勢いを与えてきた高山の不在。Wショックの重い敗戦となった。