福留、執念の代打同点打も虎3連敗

 「中日4-2阪神」(17日、ナゴヤドーム)

 阪神が2試合連続のサヨナラ負け。今季初の3連敗で4位に転落した。敗戦の中、左太もも裏痛のため3試合連続で先発から外れた阪神・福留孝介外野手(38)が、九回に代打で同点打。意地と執念は見せ付けた。19日からは甲子園に戻ってのヤクルト戦。頼れる4番がスタメン復帰となれば、一気に流れは変えられるはずだ。

 甲子園からの逆襲へ執念を見せた。ビハインドの展開も最後まであきらめない。チームメートがつないだチャンスに手負いの福留が意地の一打を放った。

 「何とか形にはなったね」。2試合連続サヨナラ負けに表情はさえなかったが、ベテランが存在感を示した。

 出番は1点ビハインドの九回だ。鳥谷と代打今成の安打で、2死一、三塁。反撃態勢が整うと、3試合ぶりに名前をコールされた。2ボールからの3球目、149キロの直球を狙い澄ましたように振り抜き、ライナーで一、二塁間を破った。

 14日・DeNA戦(甲子園)で左太もも裏を痛め、3試合連続ベンチスタート。この日の試合前練習で3日ぶりにフリー打撃を再開したばかりだった。

 「チャンスではプラスにしか考えないよ」

 究極のプラス思考を支えるのは日頃の抜かりない準備だ。3月18日のオープン戦。今年初めてナゴヤドームを訪れると、試合前練習へ備えてストレッチしていた高山ら若手野手へこう知らせた。

 「今年からフェンスのクッションが変わっているみたいだから」

 練習では率先して、打球のはね返りをチェック。一緒にノックを受けた若手には見本まで示してみせた。変化に敏感で、不安要素は事前に打ち消す。入念な準備があるから、本番で焦ることはない。

 「今成も十分いけるし、攻めないと」

 結果的に今季初の3連敗、初の3タテを食らったが、金本監督は強気な姿勢を崩さなかった。捕手2人制を敷く中、途中出場の岡崎に迷わず、代打福留を決断。代打出場した今成も3年ぶりに捕手に就かせた。ゲームセットの瞬間まで、総力戦で食い下がった。

 19日からは本拠地でヤクルトを迎え撃つ。福留のスタメン復帰について指揮官は「状態を見て。それは一日も早くという思いだけど無理させて長引かすよりはね」と説明した。ただ、4番を欠いてからチームは白星なし。福留本人は「それはたまたま、そういうふうになっただけ」と控えめに言うが、あらためて存在感の大きさが浮き彫りになった。チーム再浮上へ4番のバットは欠かせない。本拠地から必ず巻き返す。

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