金本監督、若手奮起期待「競争だから」
「阪神1-5ヤクルト」(20日、甲子園球場)
若虎よ、こんなときだからこそチャンスに燃えろ!阪神は打線がサブマリン山中に封じられ完敗。金本知憲監督(48)は、4番・福留のスタメン復帰までもう少し時間がかかる状況下で、若手野手の奮起を求めた。甲子園での連勝が3で止まったが、21日は倉敷に舞台を移して第3戦。必ずカード勝ち越しや!
チャンスは作った。スタンドも沸いた。それでも流れは来ない。4点差を追った九回も、無死一、二塁のチャンスから無得点でゲームセット。あと一本が出ずに、8安打1得点で敗戦。福留をスタメンから欠く状況だからこそ、金本監督は、若手のどん欲なアピールを求めた。
「(福留がスタメンで起用できないことは)そこはしょうがない。そこは若い選手がグイグイ、チャンスで、得点圏で結果を出してくれないと」
変則右腕・山中を相手に苦しんだ。二回にはゴメスのソロに続き無死二塁となったが無得点。三回は1死三塁から、大和と江越が倒れた。六回も無死一、二塁からゴメス、鳥谷、西岡に一打が出ず追加点を奪えなかった。
「得点圏にいった時のバッティングよね、やっぱり。そこのへんは去年とあまり変わってないかなというね。今日に限ってはね」
山中には昨年、3戦1勝2敗で防御率1・84と相性が悪かった。変則的なフォームとは言え「だから打てません、じゃどうしようもないし。じゃあ次きたら、はいお手上げですかって。そこは工夫だから。目付けを変えるとか」と話す。いかに工夫をするか。そして勝負どころで打てるか。そこでの一打が、試合の勝敗と、それぞれの選手のアピールにつながってくる。
この日、前日の5打数1安打の結果を踏まえて、高山を初めて不調でスタメンから外した。「昨日のバッティングを見てるとやっぱり、そこは競争だからね。ベテランと競争してるのではなしに、若手と競争してるわけだから」。高く評価しているが、だからといって不動のレギュラーではない。裏を返せば、他の若手にとってはチャンスでもある。
福留のスタメン復帰も「かかりそう。もうちょっと」と見通しを話す。だからこそ今がチャンスだ。若手の間の競争に打ち勝とうという姿勢が、試合の中での打席につながってくるもの。連勝とはならなかった敗戦も痛いが、アピール不足に映る若虎の姿勢にも不満が残る一戦となった。