能見 新井さん打たせん2000H阻止
24日・広島戦(マツダ)に先発予定の阪神・能見篤史投手(36)が21日、残り6本に迫った広島・新井貴浩内野手(39)の通算2000安打を阻止することを誓った。通算で4本塁打を含む41打数16安打、打率・390と苦手にするかつての同僚を抑え、チームに勝ちをもたらす。
左腕が誓った。「打たせないようにします」。能見が闘志を燃やす打者は、大台達成間近まで歩みを進めてきた新井だ。7年間同じユニホームを着た、かつてのチームメート。だが、目の前で歓喜の瞬間を見るつもりはない。
データ上では分が悪い。昨季は22打数7安打、打率・318だった。5月9日(甲子園)には左中間へ本塁打を浴び、試合後、「打たれたのは僕の責任」と唇をかみしめた。通算でも4本塁打を含む41打数16安打、打率・390と苦手にする。
能見はここまで4試合に先発し、1勝2敗と負けが先行する。防御率は3・80。今季初めて投げた3月26日・中日戦(京セラドーム)では勝利投手になるも、以降は勝ち星に見放されている。前回の15日・中日戦(ナゴヤドーム)では2回9安打6失点と炎上するなど、いまひとつ波に乗りきれない投球が続く。
一方で次戦の舞台・マツダは得意にしている。昨季3勝1敗、防御率は1・59。今季は24日の第3戦が初登板となるだけに、「投げてみないと分からないですけど」と慎重な姿勢を崩さないが、弾みを付け、挽回を期すには格好の場所だ。
この日は甲子園の室内練習場で約1時間、汗を流した。岩貞を相手にしたキャッチボールでは1球投げるごとに時間を取り、ボールの感触をじっくりとチェックした。
投げるだけではない。マシンを相手にした打撃練習ではバントに多くの時間を割いた。9人目の打者としての準備にも余念はない。
「打者一人一人をしっかり抑えていく感じです」
新井が2000安打に王手を掛けて臨んでこようとも、打たせるつもりは毛頭ない。鯉の主砲をシャットアウトし、チームに白星をプレゼントする。