金本監督 凱旋星へ新井より菊池封じ

 阪神・金本知憲監督(48)が21日、広島の強力打線を警戒した。22日からのカープ3連戦に向けコメントを求められると、通算2000安打まで残り6本に迫る広島・新井貴浩内野手(39)よりも、リーグ打率2位の菊池涼介内野手(26)を要注意に挙げた。この日は岡山・倉敷でのヤクルト戦が雨天中止となり、チームは広島市内のチーム宿舎へ移動した。

 故郷で初めて采配を振る。雨の倉敷で、金本監督はその感慨を問われ「特にはないけど…」と答えた。生まれも育ちも広島で、カープで泥にまみれ一流への礎を築いた。特別な思いがないと言えばウソだが、新人監督にとって思考の優先順位は戦う場所より目の前の相手。古巣には偉業へカウントダウンする弟分もいるが、ベクトルは好調な広島の攻撃陣全体に向いていた。

 「今、カープの打線、いいからね。菊池が調子いいし…。脅威?確かにそう。前回、負け越しているんだから…」

 眼中には、通算2000安打まで6安打に迫る新井…というよりも、打率・357でセ・リーグ打撃成績2位の菊池がいる。攻撃的2番として得点は同リーグトップの「16」。虎と並ぶリーグ最多、97得点を誇る鯉の攻撃起点を抑え込まなければ勝機は見えないのだから、名指しするのも当然か。

 2週間前の前回対戦は1勝2敗で、開幕からの連続負け越しなしを4カードで止められた。振り返れば、菊池が体調不良で欠場した初戦は制したものの、戦列復帰した2、3戦目はともに逆転負け。同2試合で10打数5安打1本塁打と病み上がりで大暴れした虎キラーへの対策がリベンジの鍵になりそうだ。

 打率・351の主砲エルドレッド、そして菊池とのコンビ再生を果たした丸も打率・293と好調だ。チーム打率・274でリーグ2位と、開幕から上昇を続ける破壊力は昨季までとは別のチーム。その軸を担う4番・新井がチームトップの得点圏打率・391と手ごわいだけに、一瞬も気の抜けない3試合になることは間違いない。

 新井は2000安打達成について言う。「チームの勝利に貢献することが第一になるし、数字に強いこだわりはないんです。その中の巡り合わせで、阪神戦で達成できたらいい。両チームのファンの方々にお世話になりましたから」。ボーダーレスな観客席からの大歓声。そんな心温まるシーンも両軍のファンにとって楽しみではあるだろう。だが、この3試合で新井に6安打を許すことが何を意味するか…。

 戦う場所も、後輩も、個人的な感情は抜きにする。金本監督は3カードぶりの勝ち越しだけをにらみ、郷里で指揮を執る。

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