ゴメス、虎生き返らせた 九回8号ソロ

 「阪神3-3巨人」(28日、甲子園球場)

 簡単には逃げ切らせない。快音と共に守護神の顔がゆがむ。突破口を切り開き、執念の同点劇を導いた強烈な一発。拍手と大歓声を浴びながら、阪神・ゴメスが勢いよくダイヤモンドを駆け抜けた。ベンチとスタンドのムードが高まり、一気に流れを変えてみせた。

 試合後こそ「また明日」と言葉少なにクラブハウスに戻ったが、価値ある働きを見せたことに変わりはない。2点を追った九回だ。マウンドに上がったばかりの沢村を打ち砕く。1ボールからの2球目、144キロ直球を振り抜くと、高々と舞い上がった打球は左中間スタンドに飛び込む8号ソロ弾となった。

 金本監督が「ストレートに差し込まれていたから、ストレートを本塁打にできたのは、僕の中では大きい」と称えた一振り。結果はもちろん、中身もつまったアーチが追い風を吹かせ、その後の若虎の躍動につなげた。期待に応えたのは九回のソロ弾だけではない。

 3点を追った五回は先頭から左前打で出塁し、1点目のホームを踏んだ。七回には無死一塁からの中前打でチャンスを演出。好投していた菅野からの2安打。完封負けを喫した6日の対戦では4タコだっただけに、意地を見せた形だ。

 22日の広島戦以来の猛打賞。九回の8号弾でリーグトップタイに並び、打点と合わせて現在「二冠王」だ。延長十一回にハーフスイングで三振に倒れた判定には感情を吐き出して悔しがったが、指揮官も納得の直球打ちを手応えに、ここから上昇気流に乗っていく。

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