メッセ、子どもたちへ捧げる4勝目
「中日0-1阪神」(5日、ナゴヤドーム)
子どもたちへささげる白星だ。5月5日。2男2女の父である阪神・メッセンジャーが、大黒柱の仕事を全うした。7回3安打無失点。仲間の好守に支えられ、リーグトップタイの今季4勝目をゲットした。
「勝利を持って帰られてうれしいね。家へ着く頃には、子どもたちも寝ていると思うから、明日、何かしてあげられたらいいね」
最大のピンチは1点リードの七回、2死一、三塁の場面。代打・野本に左中間へ大飛球を打たれたが、左翼・高山が快足を飛ばしてランニングキャッチ。右拳を突き上げた助っ人はルーキーの帰りを待ってお辞儀した。
「素晴らしいバックの守備に感謝したい。特に高山と板山には助けてもらったね。あとホームランを打ってくれた大和のビッグパワーにも感謝だよ!!」
原口との初コンビも息ピッタリ。この日は直球、カーブ、フォークに加えて、スライダーを効果的に使った。球団史上最長タイ来日7年目。チームを知り尽くす助っ人にとって、背番号94の成長もうれしいトピックスだ。
「ハラグチが背番号52のときから受けてもらっているよ。いつもいいキャッチャーだと思っていたんだ。年を重ねて、より良くなっているね。いい仕事をしてくれたよ」
心優しき助っ人は少年少女ファンも大切にする。今春キャンプ。車いすの少年を見つけると、「明日も来るのか?」と問いかけた。翌日の練習後、メッセンジャーが差し出したのは新品のグラブだ。「今年も応援よろしくな!」。普段からファンサービスを欠かさない。時間の許す限り、グッズへ、筆を走らせる。こうしたファンとの触れ合いもシーズンを戦う原動力だ。
「途中良かったね。全く打たれる気がしなかった。四回か五回ぐらいにパッと良くなって。これが本来のメッセかと。だんだん良くなってきてるんでね」
開幕投手に指名した金本監督もホッと胸をなで下ろした。次回は11日巨人戦(甲子園)の先発が濃厚。白星先行の助っ人が、乗っていきそうな気配だ。