原口不屈弾!リード反省も第3戦に弾み
「阪神6-10ヤクルト」(7日、甲子園球場)
3試合連続完封勝利から一転、10失点の大敗だ。一時は5点ビハインドを追い付く粘りを見せたが、投手陣が10四球を与えるなど乱れて、連勝ストップ。阪神は4位に転落した。八回に意地の一発を放った原口文仁捕手(24)は自身のリードを反省しつつ、「どう立て直すか。次に生かしたい」と奮起を誓った。この悔しさを晴らし、第3戦は必ず勝つ。
「慎重にいきすぎました…」。スタメンマスクをかぶった原口は試合後、こう声を絞り出した。前日まで合計7人の投手とコンビを組んでチームを46年ぶりの3試合連続完封勝利に導いたが、一転して10失点で大敗。投手陣を強気なリードで導けず、唇をかみしめた。
立ち上がり、先発・藤川をリズムに乗せることができなかった。リーグ2位のチーム打率・276を誇るヤクルト打線を警戒し、変化球を多く要求。だが初回にバレンティンに先制3ランを浴びると、三回には雄平に追加点となる2ランを被弾。策は実らなかった。
「真っすぐは悪くなかったけど、簡単に(直球で)いって打たれるのはよくないと思った。もう少し真っすぐを使っていければよかった」
大和の左前2点適時打で四回に追いついてからは、六回までは無失点にしのいだ。しかし七回1死満塁、大和の適時失策で勝ち越し点を献上。結果的に一挙5点を失った。「もったいなかった。あそこで粘れていたら、勝つチャンスがあった」と表情を曇らせた。
打撃では意地を見せた。先頭で迎えた八回、松岡の130キロシュートを左中間席へ運んだ。甲子園では初アーチとなる2号ソロ。「いい感じで振れているのは振れている。打つべきボールを打てている。そこを続けていきたい。追いついてやろうと思って打席に入っている」。四回無死にも左前打をマークし、2試合ぶりのマルチ安打。これで6試合連続安打とバットの勢いは衰えていない。
首位奪取に失敗し、4位に転落した。だが、誰も原口を責める者などいない。金本監督は「昨日まで3試合連続0点で抑えてきたんだから、今日は投手が…とは言ったらいけないと思うし、思ってもいない」とバッテリーをかばい、この悔しさを次につなげることを願った。
「相手に打たれて、どう立て直すか。今日こういう経験ができたんで、次に誰と組んでも生かせるようにしたい」。原口は懸命に前を向いた。失敗も勉強。見つかった課題は一つずつ解消していく。チームを勝利に導くために、必死に歩みを進めてゆく。