阪神、コリジョンでNPBに意見書提出

 阪神は12日、巨人7回戦(11日・甲子園)でコリジョンルール適用で判定が覆った件について、日本野球機構(NPB)に意見書を提出した。この日、西宮市内の球団事務所で阪神・谷本修常務が会見に応じ、意見書の要旨を説明した。前日に、審判団から受けた説明に対して改めて阪神側で映像を確認した上で、審判団からの説明を否定するような形で意見書を作成した形だ。

 けんか腰にもの申すわけではないが、訴えたいことはある。一夜明けても「アウト」の認識は同じ。だからこそ、NPBに意見書を提出した。谷本常務がその要旨を明かした。

 「(ルール改正の要求ではなく)その前段ですよね。回答によっては、おかしいじゃないかと、このまま一年間続けるんですかということですよね」

 ポイントは大きく2つ。前日の試合後、球団側は責任審判の杉永二塁塁審から「『最初から走路をふさいでいた』ということと『審判団の中で持っている、完全なアウトのタイミングとも言えなかった』」と説明を受けた。その審判団の説明を、「否定」するように意見をまとめた形だ。

 まず1つ目。原口が最初から走路をふさいでいたかどうか。「いろいろな角度のいろいろな映像を見たんですけど」。前日の試合後に金本監督らと映像確認すると、原口は最初はホームベースの前のインフィールド部分に立ち、捕球体勢に入るためにホームベースの後ろに下がる動きを取っていたという。

 「その時点で走路をまたいだというか、(そう)言えばそうなんですけど『決してふさいだのではなく走路は空いてましたよ』と」

 最初から、ではなく、走路が空いていたことも確認。そして2点目は、コリジョンが適用されない「アウトというタイミングだったんじゃないですか」ということだ。

 「要は規則上の不足でですね、審判団が(仮に捕手が)ブロックしていなくても(タイミング的に)アウトだと判定した場合はコリジョンは適用しないというのがありまして」

 このタイミングは阪神側の印象だけではない。「走者の小林選手も『タイミング的にはアウト』というコメントを残されてまして」。審判団のアウトのタイミングの基準は何なのか、ということだ。

 阪神では宜野座キャンプでの紅白戦で、本塁タッチアウトがコリジョン適用でセーフとなった事例があった。実は3月のオープン戦中、審判団から「(紅白戦で)アウトをセーフにひっくり返したのは間違いでした」と解説を受けたという。

 「『タイミング的にはアウトなんで、アウトはそのまま残って、ただし、またいでいたということで(捕手に)警告は一回発せられます』と。『それが正しい判定でした』ということを、解説受けてましたので」

 ではその解説と今回で何が違うのか。審判批判ではなく、来季のルール運用見直しへの提言にもなりえる意見書。阪神だけでなく、ファンも納得できる説明が欲しい。

  ◇  ◇

 ◆11日・巨人戦でのコリジョンルール適用 問題の場面は三回表2死二塁。巨人・脇谷の中前打で二塁走者の小林誠が本塁へ突入し、阪神・大和からの本塁返球でアウトの判定。だが、審判団によるリプレー検証を行った結果、捕手の原口が走路をふさいだとしてコリジョンルールが適用され、ホーム生還が認められる判定に変わった。

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