中継ぎ球児“火の玉”復活には遠く…

 「DeNA3-1阪神」(14日、横浜スタジアム)

 再スタートも不完全燃焼-。不調から中継ぎに配置転換された阪神・藤川球児投手(35)が八回から登板。板山の好返球で何とか無失点にしのいだが、1回で3安打を許した。かつて名だたる強打者をきりきり舞いさせた火の玉復活には程遠く、完全復活への道は険しい。

 “火の玉”の復活が遠い。1-3の八回。2死一、二塁のピンチを招いた藤川は、代打下園にライナーで一、二塁間を破られた。板山の好返球に救われ、1回を無失点でしのいだが、3安打された。

 「まだまだ、これからです。ルーティン?前のことなので、あまり覚えていません。また新しくやらないといけないですね」

 12年9月15日・巨人戦(東京ドーム)以来の救援登板に横浜スタジアムはどよめいた。逆転を信じ、ゲームの流れを引き寄せたい場面。だが、DeNA打線に食らいつかれてしまう。先頭ロペスは143キロ直球で遊ゴロに打ち取ったが、倉本にフォークを拾われ、中前打。続けて代打・乙坂にも、不運な遊撃内野安打を許すと、2死から代打・下園に今季最速の147キロ直球を右前へ運ばれた。

 1回3安打無失点の結果に、香田投手コーチは険しい表情で口を開いた。「微妙なところだな。もうちょっとギアが上がると思ったけど…。これから上がっていくのかな。もうちょっと見てみます」。金本監督も「球自体、良かったから。あとはコントロールなのかな。相手があまりフォークを振らなかったね。何か分かるのかな。そんな感じがしたけど…」と指摘した。

 10日・巨人戦の雨天中止決定後。甲子園クラブハウスの一室で“5者会談”が開かれた。金本監督、矢野作戦兼バッテリーコーチ、香田、金村両投手コーチが集まり、藤川と今後の起用法について話し合った。

 それまで5試合に先発して1勝2敗、防御率6・12。先発時の投球は球児本来の姿とは言い難く、誰もが現状に納得できていなかった。そして、5人で導き出した答えが、かつてまばゆい輝きを放ったリリーフへの配置転換だった。「僕は監督、コーチの言われたところでやるだけです」。藤川はきっぱりと言い切り、首脳陣に強い覚悟を示したという。

 「(フォークは)まだ腕が振れていないという感じがあります。今は-」。帰り際、藤川は最後の言葉に意地を込めたようだった。このままでは終われない。慣れ親しんだ場所から復活を果たす。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス