高山8戦ぶりマルチ…救いは若虎の復調
「阪神3-4中日」(17日、甲子園球場)
笑顔はなかった。阪神ドラフト1位・高山俊外野手(明大)が2試合ぶりにスタメン出場し、2安打をマーク。守りでも好守を見せたが、勝利にはつながらず。うつむき加減でクラブハウスへ歩を進めた。
同点に追いつかれた九回1死満塁。代打・藤井の左前へ落ちようかという打球へスライディングを試みた。地面すれすれのところで捕球したが、勝ち越しの走者は生還。これが決勝点になっただけに「点数が入っているので」と悔しさをあらわにした。
打では二回2死二、三塁から、佐藤の140キロ直球を右前へ引っ張った。真ん中に甘く入ってきたボールを逃さなかった。
走者2人が生還。一時勝ち越しとなる2点適時打を「最近チームに迷惑をかけている中でも、こうして1番で使ってもらいましたし、ランディ(メッセンジャー)がバントして、2アウトにしてでも回してくださったチャンスだったので、その監督の期待に応えたいという思いだけでした」と振り返った。
四回1死でも、佐藤の141キロ直球を中前へ運んだ。2安打は4日・中日戦(ナゴヤドーム)以来、出場8試合ぶり。逆転された後に先頭で迎えた九回では、遊ゴロに打ち取られたがヘッドスライディング。勝利への執念を示した。
一時は打率・333を誇っていたが、現在は・258と下降。タイミングの取り方に試行錯誤中で「なんとか(打ちたい)という気持ちだけです」。思いを実らせるべく、これからも準備に努める。